昨年の12月に開局70周年を迎えたTBSラジオ。記念して刊行された本書が新旧のラジオファンの間で評判を呼んでいる。前半は、生島ヒロシや荻上チキ、爆笑問題など、番組を放送中の主要なパーソナリティへのインタビューで構成。
「生島ヒロシさんは、笑いながら近づいてきて笑いながら去っていく、ラジオそのままの元気はつらつとした方。そういったインタビュー時の雰囲気も伝わる内容になっています。みなさん自分の言葉を持っておられるので、どの話も削りがたく、予定より100ページ近く増えてしまいました」(担当編集者の加藤基さん)
後半は毒蝮三太夫へのインタビューや、岸谷五朗、小西克哉、麻木久仁子、ハライチらの談話、久米宏の寄稿などでTBSラジオの歴史を振り返る。アナウンサーの長峰由紀と外山惠理が永六輔の思い出を語る対談では、戦争を語り継いでいく責任についての強い意識が感じられ、印象深い。
ラジオリスナーと思われる読者からは、ハガキ職人さながら、びっしりと熱い思いを綴ったハガキが届いていると言う。
「こんなにラジオファンがいたんだと驚くくらい、うれしい反響をいただいています。中には自分の青春時代の思い出の番組が紹介されていないというご指摘もありましたが、分厚いものを届けられたからこそと自負しています」(加藤さん)
2021年12月発売。初版1万部。現在5刷5万部(電子含む)