バイク人口が80年代のピーク時から激減するなか、時代を超えて「人馬一体の歓び」に目覚める若者がいる。「昭和バイク」と心を通わす令和ライダーたちの、ヘルメットを脱いだ素顔に迫る!(全4回の3回目/続きを読む)
80年代の文化に憧れて
今21歳で、このZ400GPを買ったのが16歳の時だったので、もう5年くらいですね。もともと、小さいときから親の影響で旧車が好きだったんです。
親が昔こういうバイクに乗っていて、自分が物心ついたときにはもう降りていたんですが、当時のバイクの話を聞いたり、写真を見たりしているうちに、自分も乗ってみたいなと思うようになりました。
バイク以外にも旧車全般が好きで、車はソアラに乗っています。バブルで流行った2代目のモデルなので、もう30年以上前の型ですね。80年代の文化というか、雰囲気が好きなんですよね。
今日は後ろに彼女を乗せてきたんですが、彼女の方も旧車が好きで、バイクと車の両方を維持しています。バイクがRG250Eで、車は70年代の330グロリアです。
一緒にツーリングやドライブにもよく行きますけど、やっぱりお互い、旧車の維持費には悲鳴を上げていますね。自分はこれとソアラのほかにペケジェー(ヤマハ・XJ400)も持っているんですけど、税金と車検だけでもカツカツです。
仕事は建築業で、現場で外壁を貼るような仕事をしていますが、車とバイクのために働いているような感じです。
このバイクは当時50万円くらいで買ったんですが、今は200万円近くなっているので、その意味では早めに買っておいてよかったですね。ただ、エンジンのオーバーホールをしたり、外装を塗ったりしているんで、買ってからも100万円くらいかかっていると思います。でもそのおかげで、今のところはとても快調です。
車検にも通るように改造しているんですが、こういう見た目だと絡まれることも多いです。族車仕様に乗っていても、昔の暴走族みたいなことをする人は減っていますけど、やっぱり迷惑をかける人もいるので、悪く思われても仕方がないのかなと思います。
自分としてももう、いつまでもこういう仕様には乗っていられないなと思っていて、このバイクも純正に戻していくつもりです。シンプルに、旧車の乗り味を楽しんでいきたいですね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。