バイク人口が80年代のピーク時から激減するなか、時代を超えて「人馬一体の歓び」に目覚める若者がいる。「昭和バイク」と心を通わす令和ライダーたちの、ヘルメットを脱いだ素顔に迫る!(全4回の1回目/続きを読む)
「父への孝行」として旧車趣味をスタート
このRZ250Rに乗りはじめたのは、免許を取ってすぐのことです。もう7年~8年前になりますね。教習所のバイクの次に乗ったのがこれだったので、最初は取り回しに苦労することも多かったです。
実はもともと、そこまで旧車が好きというわけではなかったんですよね。ただ、父が昔からバイク好きだったこともあって、親孝行として一緒にツーリングに行けたらいいなと思い、バイクの免許を取ったのがはじまりです。
このバイクも父が昔乗っていたもので、しばらくガレージに放置されていたのを直してもらって。私が2、3歳の頃から、父は私を背中に括り付けてこのバイクに乗っていたそうで、そのときの記憶もなんとなく残っています。そういうのもあって、バイクに乗ることが自分にとって当たり前になっていたのかもしれません。
最近は父とツーリングに行くことはほとんどなくなりましたが、今日は兄と一緒に来ているんです。母親以外はみんなバイクが趣味という感じで、自分のバイクを父や兄に弄ってもらうこともありますね。
やっぱり周りにはバイクに興味のある友達は少なくて、私がこういうのに乗っていると知ったときには大抵、「ふーん」みたいなリアクションが返ってきます。
ただ、バイク好きのなかでは「女性で旧車」というのが珍しいみたいで、ツーリング中に声をかけられることもよくありますね。そういうコミュニケーションも、バイクの醍醐味の一つなのかなと思って楽しんでいます。
私の場合、もともとバイクが好きではじめたわけではないですが、いざ乗ってみると楽しくて、いつの間にかどんどんハマっていきましたね。今では「このバイクでよかったな、恵まれているな」と思うようになりました。最近は旧車バイクが高くなっていますし、今自分のお金で買おうと思っても手が出ないですからね。
今ではもう、自分の命よりも大事な存在ですね。もし事故があっても、バイクをまず助けたいと思うくらい。なので、ツーリング中も十分安全には気をつけて、危険なことはしないようにしています。これからもずっと、このバイクと付き合っていきたいですね。
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