優木まおみ(42)は22歳でデビューして、「エロかしこい」のキャッチフレーズでグラビア界を席巻した。グラビアアイドルから始まり、バラエティータレント、モデル、そしてピラティス講師……。結婚、出産を経た現在に至るまで、ライフステージごとに活躍の場を広げ、イメージを更新し続けている。
移り変わりの激しい芸能界で、常に順風満帆に芸能界を渡り歩いてきたように思える優木。だが、人知れず苦悩や葛藤を抱えていたという――。
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――「エロかしこい」のキャッチフレーズでグラビアアイドルの一時代を築いた優木まおみさんが今はインストラクターとして活躍されていると聞き、驚きました。
優木まおみ(以下、優木) 実はこれまで「ボディメイク」や「美ボディ」にあまり関心がなくて、若いころは特に決まった運動をしていませんでした。でも、37歳で2人目の子供を出産した後、体がボロボロになってしまって……。体力がなくて疲れやすいし、産後太りもなかなか解消されない。そんなときに出会ったのがピラティスでした。
教室に通ううちに、同じような悩みを持つ女性がたくさんいることを知り、ピラティスのよさを伝えるためにももっと勉強したいと思うようになり、インストラクターの資格を取ることにしたんです。
――講師になって新しいお仕事を、という考えはその時にはなかったんですね。
優木 そうですね。「これをお仕事にしていこう」という気持ちはありませんでした。でも資格を取り終わった頃にコロナ禍がはじまり、緊急事態宣言が出るとおうちで過ごす時間も多くなりました。同時に決まっていた芸能の仕事がキャンセルになってしまって。そんなとき、おうち時間が増えて多くの人が運動不足になっているというニュースを見て、「せっかく資格を取ったのだからオンラインでピラティスを教えてみよう!」と思いついたんです。
事務所に、チケットを販売してみていいかと聞くと、今後芸能界がどうなるかもわからないから、とにかく今やれることをやってみようと賛成してくれて。
――チケットの販売などから全部優木さんがやったんですか?
優木 はい。「コロナに負けるな!という意味を込めて567円でオンラインレッスンをします」とインスタグラムに投稿して、お客さんとのやり取りもすべて自分でやりました。初めてのことだから、違うアカウントにチケットを送ってしまうというミスもしたり(笑)。配信方法も、ZOOMって使えそうだねとマネージャーさんと相談しながら自分で探しました。
――裏方的なことをされたわけですね。
優木 昔だったら、芸能人が567円でチケットを売るなんて、お金に困ってると思われたら嫌だなとか、ファンの方からの問い合わせに自分で対応するのは恥ずかしいという気持ちがあったと思うんです。でもコロナでそんなこと言っていられない状況になり、自分もインストラクターとしてやってみようと思いたちました。そして実際にやってみたら、「意外とできるじゃん!」って。
それが面白くて、だんだんとピラティスを教えるということが、40歳を超えた私の人生の第3段階目くらいのライフステージを支える仕事にもなるかもしれないと思い始めたんです。
――これまでもグラビアアイドルからタレント、モデルと活動の場をライフステージごとに変えてこられた印象です。
優木 ピラティス講師になった経緯と同じで、意識した部分と流れに身を任せた部分が半々かなと思います。これまでの自分を振り返ってみても、「グラビアアイドルやタレントになりたい!」と思って芸能界に入ったわけでもなかったし……。子どもの頃からの夢はアナウンサーになることでした。