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「出産後は心の闇が一番深かった」「輝いているお母さんたちへの妬みも」優木まおみが経験した“産後クライシス”と“芸能界での葛藤” 《40代からの新しい働き方》

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genre : エンタメ, 芸能

「人生って、成功ばかりじゃなくてずっと迷い」

 そう語るのは、グラビアアイドル、バラエティータレント、モデル、そしてピラティスの講師とライフステージごとに活躍の場を広げてきた優木まおみ(42)だ。

 優木はアナウンサーを目指していたが局アナ試験が全滅。22歳でデビューして、「エロかしこい」のキャッチフレーズでグラビア界を席巻した。その後はバラエティータレント、モデル、そしてピラティス講師……とイメージを更新し続けてきた。

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 キャリアの過程、30代で妊娠と出産を経験。産後すぐに仕事復帰を果たすも、育児に追われる中、働き方は変化した。そこで得た気づきとは――。

©文藝春秋

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グラビアアイドル引退を決意したワケ

――優木さんがグラビアアイドルを引退したのは28歳の時でした。なぜ、辞める決断を?

優木 3年間やって、この仕事をやり尽くした、やり切ったと思ったのが理由のひとつです。28歳という年齢も、自分の今後のキャリアを考える上で大きかったと思います。当時は恋愛もしていたので、“結婚”ということも気になってきました。でも、もし私が結婚したら、今まで応援してくれていた男性ファンがいなくなっちゃうかもしれない(笑)。

――“可能性”がなくなってしまいますもんね。

優木 女性ファンを獲得しないと、と。その近道は人気の女性誌に出てモデルをやることなんじゃないか、と考えたんです。モデルとグラビアでは “撮られ方”が全然違うので、服が美しく写るように一から勉強し直しました。

 最初は雑誌の読者の方から「グラビアタレントが出ていてガッカリ」と言われてしまうこともあったのですが、徐々に認められるようになって自信がついて。最後のグラビア写真集の時のサイン会には男性ファンしかいなかったのが、1~2年後にはモデルのイメージが定着して、ほとんどが女性ファンになっていました(笑)。

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――バラエティータレントだけでやっていくという道は考えなかったのですか?

優木 そうですね。新しいバラエティータレントはどんどん入ってくるので、枠取り合戦に疲れて消耗しちゃうんじゃないかという不安がありました。だから今あるこの知名度を生かしつつ、今後10年間を生きていく道というのを模索しないといけないな、と。やっぱり結婚しても仕事は続けたいと思っていたので。

――結婚して芸能界を引退するという考えはなかったんですね。