1ページ目から読む
2/5ページ目

収入源は夫婦ふたりともあった方がいい

優木 その考えはまったくなかったです。佐賀の両親はふたりで中華料理屋さんをやっているので共働き。そういうこともあって、収入源は夫婦ふたりともあった方がいいと思っていました。

――どんな家庭環境だったんですか?

優木 お店には常連さんがいつもいて、にぎやかでした。高校や大学受験の時はお店のテレビの前にある椅子に座って勉強していましたね。父は料理人なのにWindows98も出ていない時にパソコンを手作りして、佐賀市のテレビで“パソコン名人”と紹介されたような人(笑)。「ほしいものがないなら作ればいい!」という父の考えは、私も引き継いでいると思います。

ADVERTISEMENT

 誰かが作ったものの中で言われたことをやるよりも、一から自分で何かを作っていった方が思い入れもあって、ワクワクする。ずっと文化祭のノリとも言えるような人生を求めているというか(笑)。

©文藝春秋

「出産前の自分に戻りたい」心の闇が一番深かった頃

――2013年に美容師の男性とご結婚。34歳で第一子を出産されていますね。人気絶頂のなか、出産してキャリアにブランクができてしまうことに不安はありましたか?

優木 1人目の出産の時は、産後にそこまで体への負担があるとは知らなかったので、産んだらすぐに戻れるって思っていたんです。子どもを預けられる場所と時間さえあれば働けるでしょって。だから出産前にはすでに産後復帰の仕事を入れてしまっていました。でも、実際に産んでみたら寝れない、疲れが取れない、授乳の感覚の調整もしなきゃいけないと、想像以上に大変で……。

――それでも仕事は決まっているから穴はあけられない。

優木 いくら寝不足でも、モデルの撮影があればビシッと決めなくちゃいけない。けど、産後の体型が戻り切っていなくて、写真を見てもちょっと違うなって。自分でもそれがわかるし、周りの反応からも「あ、まおみちゃん、まだ産後太り解消できてないんだ」という空気を感じてしまう。それがすごくプレッシャーでした。

 元の体に戻そうと筋トレや食事制限をしてみたんですが、何をやっても痩せない。久しぶりにバラエティー番組に出ても、寝不足で頭が回らないから会話の球を瞬時に返せない……。前の自分に戻りたいんだけど、全然戻れなくて、過去の自分とのギャップに苦しみました。

――つらいですね。

優木 夫と私はとても穏やかな関係が築けていて、ほとんど喧嘩もしないのですが、2回だけ大きな言い合いをしたことがあります。1回目は結婚式の前に、マリッジブルーになった私が準備でイライラしすぎて喧嘩になって(笑)。2回目が、産後のこの時期でした。