昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/06/27

「社会調査が女性の事情を暴こうとしているのではない」

大西市長 社会調査の実施の可能性については、事前に慈恵病院に伝えていました。女性が名前を明かさなくても、寄り添って相談ができる関係を築き、1つ1つ福祉の支援を提案していくことができるはず。そのための社会調査でもあることをご理解いただきたい。本当はもっと早い時点で相談してもらい、内密出産を回避できるような支援につなげられるようにしたいですが。

――児相の調査に対して、女性の側が要望や意見を言う「代弁機能」が欠けた状態で社会調査だけが進んでいます。

大西市長 それは、やっぱり、そこがないんですよ。しかし誤解のないようにしていただきたいが、児相の行う社会調査は子どものためだけにするのではない。社会調査が女性のいろんな事情を暴こうとしているのではないことは理解していただかないといけない。

――それはどういうことでしょうか。

大西市長 社会調査は、子どもが健全に育っていくために保護者の状況や周囲の環境を調査するものですから、慈恵病院との信頼関係の中で進めることが大事だと思っています。

市庁舎

許可を得ずに個人情報を調べることに「違法性はないと考えている」

――児相が出産した女性の許可を得ずに個人情報を調べることに違法性はありませんか。

大西市長 違法性はないと考えています。児相は子どもの処遇を検討する際の選択肢を広げていかないといけない。家庭的な養育をするのか、社会的養護をするのか、いろんな状況を確認する必要がある。そのために法律に基づいてやっていく調査なので、違法性はありません。

――当の赤ちゃんは現在、乳児院で一時保護されていますが、今後はどう対応しますか。

大西市長 すでに母親の女性とは接触を控える判断をし、特別養子縁組に向けた調整が始まっています。これは政治判断です。慈恵病院と情報を共有する中で、これ以上社会調査を進めると女性が壊れてしまうという話もあった。今回のケースでは女性の情報にコンタクトすることに踏み込まないよう、私から指示を出しました。

――次の内密出産事例が出た場合、女性の代弁機能はどうしますか。

大西市長 事前に相談できる「妊娠葛藤相談所」の設置を国に提案した。ガイドラインができるまでは児相が両方を担うことになります。

z