熊本県民テレビが20年以上追い続けてきた7男3女の岸家。自宅の全焼や2016年の熊本地震、妻・信子さんの緊急入院など、次々と困難に見舞われても、家族で乗り越えてきた。そんな21年間のテレビドキュメンタリーを、開局40周年を記念して同局が劇場上映に向け取材・再編集し、初の映画「人生ドライブ」の公開に挑んだ。
妻の信子さん、夫の英治さん、そして監督の城戸涼子さんに、これまでの子育てや密着取材について話を聞いた。(全3回の1回目/続きを読む)
◆◆◆
39年間、1日も欠かさずに「愛してるよ」って
――今日はよろしくお願いします。
信子 よろしくお願いします! 緊張しますね。講演会はやりますが、(リモート)取材は滅多にないので。英治くんも緊張してるよね(笑)。
英治 ははは。信ちゃんと違って話すのは得意ではないんですが、頑張ります。
――お2人は今でも名前で呼び合ったり、時間が合えばドライブに行くなど、結婚から39年が経っても仲が良いですが、その秘訣はどこにあると思いますか。
信子 なんだろう……(笑)。でも、よく「言葉で伝える」ということをしていますね。「ありがとう」とか、「すごいね。尊敬するよ」って口に出して伝えると、相手も喜ぶと思うので心がけています。
英治 新婚の時に「この先ずっと妻を愛していくにはどうしたらいいんだろう」って悩んだことがあったんです。その時に先輩から、「1日3回愛してると伝えるといいよ」ってアドバイスをもらって、それから今日までの39年間、1日も欠かさずに「愛してるよ」って伝えています。それが夫婦仲の良さに繋がっていると思いますね。
――朝昼晩、毎回伝えるんですか?
信子 「愛してる」って言葉だけを伝えるというよりも「行ってきます。愛してるよ」とか「おやすみなさい。愛してるよ」とか何かにつけて言うようにしています。だから3回以上言っている日もたくさんあるよね。
喧嘩した日に、むすっとした顔で「愛してるよ」と言われても、「本当かな~」って思ってしまうんですけど、39年間続けてきた根性はすごいと思います。やっぱり何年経っても、気持ちを伝えることって嬉しいですよね。
――身近にいる人だと「言葉で伝える」ことを忘れてしまいがちですけど、大事なことですね。