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夫婦の間でも「気を遣う」ってすごく大事

英治 家族だからこそ、身近にいるからこそ、「気を遣う」ってすごく大切だと思います。

信子 昔、つわりでしんどかった時に、夫に「信ちゃん。僕以外と話すときは笑顔だよね~、僕の前でもいつも笑顔でいてほしいな」って言われたことがあったんです。

「つわりがしんどくて無理だよ~」って言ったら、「僕は信ちゃんに気を遣うよ」って。夫婦って気を遣わないで、素でいられるからこそ夫婦だと思っていたんですけど、夫は違ったんです。仕事から帰ってきたら、駐車場で一度笑顔を作ってから「ただいま~」って家に帰ってきていたんです。

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 それを知った時に、夫婦の間でも「気を遣う」ってすごく大事だなって思いました。一番笑顔を欲している家族の前では、少し努力しても笑顔でいるのがいいと思って。

英治 夫婦って生き物なんですよね。何もしなかったら関係が良くなることはないから、常に水をあげなきゃいけない。家族だからこそ、笑顔でいる努力をする。家族に気を遣うことは苦じゃないんです。一番大切にしなければいけないのは家族ですから。

――家族だからこそ、お互いに努力をすることが大事なんですね。火事で家が全焼した時に信子さんが言った「火事で失ったものは、あったらよかったなと思うものだらけで、本当に大事なものは全部無事だった」という言葉にも繋がるような気がします。

家が全焼した時に焼け跡から見つけた英治さんからのラブレター「愛する信子様 私はあなたを幸福にするために愛国からやって来ました。これはそのための切符です。君にだけにしか発売しません。すぐには幸福へは行けないかもしれませんが、ず〜っと乗ってて下さい。道をはずれないように運転します。」 映画『人生ドライブ』より © 2022 KKT 熊本県民テレビ

信子 あの時は、とてもショックでしたけど、大切な家族が無事で、英治くんからもらったラブレターも発見できたので。自分たちにとって何が一番大切かを再確認できました。

――12人家族だった岸家も今では6人暮らしということで、寂しいですか。