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セクシー路線はもう卒業? 不倫男ばかり演じてきた斎藤工(40)が「シン・ウルトラマン」に変身するまで

2022/07/02
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どんだけの女性が欲情したことか

 そして、世の妻たちの心に火をつけたのが『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年・フジ・井上由美子脚本)だった。ヒロイン(上戸彩)に対する純真な恋心を募らせ、同じ研究畑で活躍する妻に対するコンプレックスから本気で不倫に走る高校教師役。ウブで飾らない理系男性・北野先生に、どんだけの女性が欲情したことか。もうこのあたりから、斎藤工と言えば必ず「セクシー」が付いて回るようになる。

 そして『運命に、似た恋』(2016年・NHK・北川悦吏子脚本)では、クリーニング屋で働くシングルマザー(原田知世)と恋に落ちる人気インテリアデザイナー役。

(画像:NHK『運命に、似た恋』公式サイトより)

 といっても、ただのセレブイケメンではない。人の妻(山口紗弥加)とねんごろっつう「陰」を匂わせつつ、原田ともなにやら昔の縁と絆があるようで、という役どころ。容姿端麗の人生を堂々と謳歌すればいいものを、なんだかいつも女性たちの業に振り回されたり、利用されたり、体を目当てにされたりと忙しない。

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『医師たちの恋愛事情』(2015年・フジ)では患者ファーストの真面目な外科医役だったが、淑女たち垂涎の胸きゅんシチュエーションをてんこ盛りに再現させられる。同じ外科医の石田ゆり子に恋をして、距離をどんどん縮めていくのだが、この接近戦は明らかに「工の巧みな性的利用」だった記憶がある。

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