コロナ禍で注目を浴びた「おうち時間」。毎日の食事も自宅で取るようになった人も多いのではないでしょうか。
昨今では、同棲する筧史朗(シロさん)と矢吹賢二(ケンジ)の食卓を通じた日常が描かれた、よしながふみさんの人気漫画『きのう何食べた?』がドラマ化、映画化もされました。弁護士であるシロさんが、美容師として働くケンジの帰宅を待ちながら作るのは、バランスのとれたおかずに炊き込みご飯とお味噌汁。
「僕は一応、役割的にはシロさんで、僕のパートナーがケンジさんということになりますかねえ(笑)」
そう話すのは料理研究家の麻生要一郎さんです。
麻生さんは、家庭的な味わいがつまったお弁当をケータリングサービスで届けていますが、素朴ながらも誰もが親しみを感じるそのお弁当は、雑誌の撮影現場やコンサート会場からも大好評だとか。
そんな麻生さんのInstagramには「本日もお疲れ様でした!」という言葉とともに、パートナーと一緒に食卓を囲む写真が溢れています。麻生家の日常の食卓から、どこか懐かしく、簡単にできる料理を紹介しているのが、今年1月に上梓されたレシピ本『僕のいたわり飯』(光文社)。
本書の中では、「家庭料理」に共通点をもつ麻生要一郎さんと漫画家・よしながふみさんが対談をしています。ふたりが語る「いたわり飯」の魅力とは――。(全2回の1回目/#2を読む)
◆◆◆
『きのう何食べた?』と同じような感覚の暮らし
麻生 『きのう何食べた?』は原作も読み、ドラマも見ていましたが、映画になってその魅力が一段と引き出されていて、感動しました。
よしなが わあ、うれしいです。ありがとうございます。
麻生 僕は一応、役割的にはシロさんで、僕のパートナーがケンジさんということになりますかねえ(笑)。僕たちは7年くらい一緒に暮らしていて、会ったその日から毎日一緒に晩ごはんを食べているんですが、それを備忘録的にインスタグラムに上げていたら、フォロワーの方々から共感をいただいて。
よしなが はい、私も拝見しました。
麻生 よしながさんを前におこがましいですが、どこか通ずるものがあって。漫画を読み始めたころ「こういう世界に行ければな」という気持ちでいたんですが、今はパートナーを得て、同じような感覚の暮らしになっている部分もあって、とてもとてもシンパシーを感じています。
よしなが そう言っていただくと、こちらが恐縮で。ありがとうございます。