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「大根の辛みを鼻に通してみたら本当に頭痛が治り…」 難病にかかり、健康も仕事も変化に直面した“38歳独身女性”の“団地と薬膳”との出会い

水凪トリさんインタビュー #2

2022/01/28

 宝島社の「このマンガがすごい!2022」オンナ編で第8位にランクインした、『しあわせは食べて寝て待て』(月刊『フォアミセス』で連載中)。健康も仕事も、それまで通りにはいかなくなった38歳の独身女性が、薬膳とまわりの人々によって少しずつ元気をためていく物語です。作者の水凪トリさんは料理をアップされているInstagramにも多くのフォロワーがいます。薬膳に興味を持ったきっかけや、毎日の生活に取り込むための意外なヒントをお聞きしました。(全2回の2回目。前編を読む

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大根をかじって興味を持った薬膳

――「シェーグレン症候群」と診断された後で連載が始まりました。「重い荷物を持たない」ようにすることが痛みを悪化させない方法だと伺いましたが、薬膳に興味を持ったのも病気がきっかけですか?

水凪トリ(以下、水凪) 持ち込みをした出版社で薬膳の本を出していたことで薬膳に興味を持ったんですが、その頃、病気の療養をしていたので、自分もやってみようと思いました。

 頭痛持ちでよく頭痛薬を飲んでいたのですが、私の場合は、疲れたり薬を飲むことで、ふだんはさほどでもないドライアイやドライノーズがひどくなってしまうんです。

 だからなるべく薬を飲まないようにしていたのですが、大根が喉の痛みに良いと薬膳の本で読んだので、大根をかじって大根の辛みを鼻に通してみたら本当に頭痛が治り、「これは面白い」と思って一層興味を持ちました。

頭が痛い麦巻さんに、大根を切って持ってきてくれた、大家の美山さん (「しあわせは食べて寝て待て」より ©水凪トリ(秋田書店)2021

――それがいま連載されている月刊『フォアミセス』ですか?

水凪 いや、それが違うんです(笑)。薬膳を知って、これは面白いかもと思ってネームを描いたらさ~っとできたのですが、「薬膳」をテーマにするとなると、編集さんにも薬膳の知識がないと理解してもらえないかも、と思ったんです。それで、どうしようか悩んでいた時に、秋田書店エレガンスイブ編集部が運営するマンガサイト『Souffle(スーフル)』のInstagramで、編集さんが薬膳を食べに行くという投稿をされていたのを見て、このサイトの編集さんなら薬膳に興味を持ってくれるのではないかと持ち込みしてみたところ、連載が決まりました。