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食後、気持ちが悪い時にキャベツをかじったら和らいだ

――薬膳は、これだけで病気を治すものではありませんがどんなところに魅力を感じておられますか?

水凪 「薬膳」というとちょっと敷居が高いイメージですが、薬膳を実践することで薬の量が減らせたのは嬉しいです。もちろんこれは人によってもその時の状況によっても違うので一概には言えないのですが、料理をしなくてもいいものだと、私の場合は頭痛時に大根をかじって頭痛が和らいだり、食べすぎた時に生のキャベツをかじって胃がすっきりしたりしたことがあり、そういうのもいいなと思っています。

©️iStock.com

――Instagramで料理をこまめにアップされたり、穴の空いた靴下をダーニング(擦り切れたり穴が開いたりした衣類を補修するイギリス発祥の修繕方法)で補修されるなど、ていねいな生活ぶりを披露されていますよね。

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水凪 私のインスタにアップしている写真は多くが母親の作った料理で、私のものは時々なんですよ…。そもそも「お年寄りの作る料理」を紹介できたらいいなと思って、連載開始前に開設したアカウントなので、「水凪トリ=薬膳、ていねいな暮らし」とイメージされる方が多いのは何だか申し訳ない気分です。

 ダーニングも、あの時は持ち込み中で収入がなく、お金がなかったけれど時間はたくさんあったのでやってみました。ダーニングは明るい気持ちになれるし、丁寧な暮らしにも憧れてはいますが、なかなか難しいです。今は穴あき靴下がいくつも溜まってしまっています(笑)。

薬膳といっても、自分にできる範囲で

――完璧に「ていねいな暮らし」を実践されていると思っていたので、逆に親近感がわきました。失礼ですみません。

水凪 いえいえ、嬉しいです(笑)。『しあわせは食べて寝て待て』を読んで薬膳に興味を持ちましたと言ってくださる方も多いんですが、薬膳は完璧にやろうとするとつまずいてしまうこともありますので、自分にできる範囲というのがいちばんだと思います。

 また、「難しいから自分にはできない」と思っている方もいらっしゃると思いますが、「ワンシーズンに1個覚えればいい」くらいのつもりで取り組むと、10年で40~50個覚えられますから、役に立つのではないでしょうか。

――そうおっしゃっていただくと、自分にもできるかもしれないと薬膳に興味がわいてきました。

水凪 そうですよ、「生のキャベツをかじる」くらいから始めればいいと思います。ゆるく楽しく。これがいちばんです。