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 1500万円のシェルターをポンと購入するくらいなので、購入者のほぼ100%が純金融資産保有額1億円以上の富裕層だ。

「年齢でいうと、50代や60代、70代の余裕のある人が多い印象です。経済的に余裕がないと、シェルターを購入しようという発想にはならないんです。多くの人は、そのお金があるなら子どもの教育費や車の買い替え費用に回したいと考えます」

「アンカーハウジング」代表の吉山和實氏(本人提供)

 しかし、潤沢な現金をもつ富裕層は違う。高級車を複数台所有する彼らにとって、1500万円はメルセデス・ベンツやレクサスの新車を買うのと同じ感覚だ。だから、ミサイルや災害から家族を守りたいと思えば、迷わずシェルターを購入するのである。

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1500万円を「現ナマで支払っていいか」

「購入者の職業や素性は明かせませんが、ひとりだけ変わったお客さんがいました。弊社ではシェルターの注文を受けると、設置場所の調査をしたうえで代金を前金でいただくんですが、その人は1500万円を『現ナマで支払っていいか』と言うんです。

 びっくりしましたよ。現金でもらうと、そのお金を車で銀行まで運んで入金しなければいけないので面倒なのですが、嫌とも言えず……。おそらく、何か事情があったのでしょう」

 ロシアによるウクライナ侵攻から4カ月以上が経過したが、この戦争はいまだに終りを迎えそうにない。北朝鮮も6月上旬に8発のミサイルを発射して日本海に着弾した。この様子では、シェルターを購入する富裕層の数がますます増加しそうだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。