「子育てを面白いと思える余裕がある」と話す理由
じゃんぽ~る西 僕の場合、長男が生まれて父親になったのが39歳と周りより遅かったからかもしれません。長い独身生活の間にやりたいことを好き放題やってきたので、すでに人生に納得感がありました。
それに晩婚夫婦だったから、子どもが生まれた時は「ミラクル(奇跡)だ!」と(笑)。赤ちゃんには「よくぞ生まれてきたなお前!」と思ったし、とにかくありがたいという感情があるからだと思います。
プライベートでも仕事でも、これまでいろいろなことがあって、そのうえで子どもができたから、子育てを面白いと思える余裕があるのかもしれません。あくまで自己分析ですけどね。
感情的にはならないように気を付けている
――子育てをしていてイライラすることは?
じゃんぽ~る西 何度注意しても言うことを聞かない時とか、イラッとする瞬間はもちろんあります。でも、そういう場面でも感情的にはならないですね。それは妻の影響が大きいかもしれません。
子どもがふざけて何かやらかした時、妻はそれを見て笑うことが多いんですよ。その様子を見ていると僕も笑ってしまう。彼女のおおらかさには、いつも救われていますね。
――とはいえ、子育てをしていると叱らなければいけない場面もあると思います。
じゃんぽ~る西 もちろん、危険なことや誰かを傷つけるようなことをした時は叱ります。でも、そういう場面でこそ自分の感情を抑えるように気をつけていますね。大きな声を出すことはあっても、感情的にはならない。感情的に怒ると、子どもたちだけでなく、僕自身も辛い気持ちになる。だから嫌なんですよね。
僕、学生時代にアルバイトでスイミングのコーチをやっていて。当時、何度注意してもふざけて危険行為を繰り返す生徒を感情的に怒ってしまった経験があるんですよ。
でも感情的に怒鳴ってしまったから、その子との信頼関係はなくなって、僕の気持ちは伝わらなかった。しかもその後、強烈な自己嫌悪に陥って、大失敗でした。すごく後悔したので、今でもよく覚えている苦い思い出です。
――過去の経験から、感情的にならないと決めたんですね。
じゃんぽ~る西 その時の上司には「“怒る”と“叱る”は別物。怒ってはいけない。叱れ」と言われました。それからは子どもに注意する時、「自分は今怒っているか? 叱っているか?」と自問する癖がつきました。
あとは妻のおかげですね。妻と2人で育児をしているから、1人だと辛いことでも笑っていられるんだと思います。
写真=山元茂樹/文藝春秋