え、なんでストロング……? このケバブめっちゃ美味いけど、どこのだろう……? いや、そんなことはどうでもよくて、一体私は今何をしているんだ……?
よくよく見たらポメちゃんは長い前髪をチョンマゲにして、黒縁メガネをしている。おいおい、私の一番好物な髪型ですやん。困惑する私をよそに、鬼のような肝臓を持ったポメちゃんはガンガン酒飲んでました。そして私はまた記憶を飛ばし、起きたら横にポメちゃん!!
こ、こんな可愛い男の子が横に寝てるなんて……! 35歳プチ熟女、まだまだ人生捨てたもんじゃないぞ!
「もう新種の生物みたいだった(笑)」
手を出してくれたのかと期待するも、ガッツリ借りた部屋着を着ている私。ポメちゃんは「さりちゃん、すごいイビキかいてたよ。もう新種の生物みたいだった(笑)」と言います。
死にたい。こんな10歳以上も年下の美男子の家で大イビキかくって、どうなっちゃってんだ。しかも、あまりの爆音に鼻をつまんだら1回止まったみたいですが、体が冷たくなっていて(!)死んだかと思って揺すったら、再びイビキが始まったようです。もうそこでそのまま死んどけよ、私。でも、よくよく話を聞くと、なんだかんだやることはヤっていたそうで、そのまま流れで2回戦突入しました……♡
それからは、なんとなく毎日営業LINEがきて、気が向いたら返してという関係に。でも、久々に仲良しのゲイ君と大久保で飲んでいたときに酔って気が大きくなった私は「ホストに行きたい!」となるのです。本当にチョロい……悲しくなるほどにチョロい。
ですが、言わずもがな底辺である私はそうそうバブルにお金は使えません。なので、ポメちゃんに「ホストって普通に行こうと思ったらいくらくらいかかるの?」ととぼけて聞くと、シャンパンを入れなくても大体5万円くらいあればたくさん飲めるとのこと。た、高い、高すぎるだろ……! 5万円? 何文字書いたら回収できるんだ!
意地もプライドもない私は「ゴメン、お金ないや!」とキッパリ断りました(今、これ書きながらも情けなくて泣けてきた)。少し安くなるプランとかも提案されましたが、ホストはやっぱりハードルが高いと諦めて2丁目や歌舞伎町のバーをハシゴしました。
そしてベロベロになった夜中2時頃、ポメちゃんからLINEが「さりちゃん、まだ飲んでる?」と。2秒で「飲んでる!」と返すと、「会いたいなぁ、飲まない?」と返信が!
え! 店に行かなくても飲んでくれるの そ、そりゃ行く! 飲む! とふたつ返事でOKしました。私は恋愛が絡むとかなり薄情なタイプなので、酔った親友をバーに置き去りにして、ポメ宅にダッシュしました。