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 このところメディアでは日銀の低金利政策がやり玉にあがっている。為替対策は日銀ではなく財務省の担当ではあるが、その前提を抜きにしても、たしかに数年前の為替$1=110円から、現在は135円ほどに上昇している。1.2倍だ。

 しかし、逆にいえば1.2倍ほどの円安にしかなっていない。いっぽうで原油価格は何倍にもなっている。

 つまり、輸入物価の激しい値上がりは、円安が要因というよりも、原材料・エネルギー・食糧価格が数倍に上がっているため、という身も蓋もない側面が大きい。政権や政治家の力量うんぬんにかかわらず物価が上がる状況なのだ。

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年間では5万~10万円ていどの支出増

 とはいえ、ガソリン価格はすでに元売りに補助金がついている。また、電気代は節電ポイントが付与される予定だ。食糧のうち、生鮮食品は国内産が見直されている。また加工食品に多く使う小麦は政府の売渡価格しだいだから、政府はこれ以上の値上がりを許容しないかもしれない。

 なんにせよ国際市況が各商品の趨勢を決めるから、日本人ができることは多くない。家計には年間で5万~10万円ていどの支出プラス影響が考えられる。その5万~10万円ていどの余計な支出をどう考えるか。預貯金を取り崩すか、あるいは工夫で乗り切るかだ。