1996年にデビューし、総売上枚数100万超を誇った元AV女優・小室友里(46)。 

 現在はセックスレスや男女のコミュニケーションを専門としたセクシャルアドバイザーとして講演などをするほか、タレント業も行っている。 

 そんな彼女に、AV女優が抱くセカンドキャリアに対する意識の変容、AV新法への評価、AV業界が向き合うべき課題などについて、話を聞いた。 (全3回の3回目/1回目を読む)

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小室友里さん

 

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AVを見たことないけど、面接に来る女性たち

ーーAVから離れて俳優などをされていましたが、2014年あたりからセクシャルアドバイザーとしても活動しています。このセクシャルアドバイザーというのは? 

小室友里(以下、小室) 周りで離婚した人たちの話を聞くと、その原因や理由にセックスレスというのが多かったんですよ。これって、普通に夫婦やカップルの間でポピュラーな問題なわけじゃないですか。

 その頃、なにか事業を始めたかったけど、元手もなければキャリアもない。ならば、小室友里としてのバックボーンと経験を活かして、レス問題をビジネスにできるんじゃないかって。それが、2015年くらいかな。 

ーー現在はAV女優のセカンドキャリアに関する相談にも乗っているそうですね。相談を受けてきて、女優さんたちの働き方は昔と比べて変わったと実感していますか。 

小室 今の女優さんはセルフプロデュースに対する意識が強い。そこが違いますよね。過去の女優さんたちは、事務所に言われたように染まることが必要とされていたので。 

 それに、昔のAV女優さんって、やめることが前提でした。でも、いまは名前を捨てない、キャリアを捨てないことを前提で考えてる。 

ーー小室さん的な意識の人がデフォルトになってきていると。明日花キララさんなど、引退後にインフルエンサーとして活動されている方も多いです。 

小室 最近だと、ラーメン屋さんを始めた佐倉絆さんとか。麻美ゆまさんも、歌のほうで頑張られているし。 

ーーAV女優を目指す女性が少なくないのも、現在ならではといいますか。ファン層、支えている層が変化していますよね。 

小室 やっぱり、女の子たちが求めるのって共感なので。セルフプロデュースが巧みな女優さんたちは、女の子のファンに「私もああなりたい」「私と近いかも」と思ってもらえるような部分をしっかり出していますね。 

 これは業界にいる方から聞いたんですけど、AV女優さんに憧れて面接に来た子のなかには「AVを見たことない」っていう子も結構いるそうです。それで撮影にもスッと入っていけちゃうらしいので「すげーな」とは思いますけど。 

ーーインフルエンサーになるための足掛かりのひとつとして、まずはAV女優になる。 

小室 そっちの意識なんじゃないかな。いい意味で捉えるとするならば、アダルトビデオというものに対する偏見や差別が徐々に薄れてきている。ほんと、ただの手段でしかなくなってきているという。