“クールジャパン”の代名詞ともいわれ、日本で独自の進化を遂げたカルチャー「コスプレ」。関連イベントは全国各地で催され、各メディアでも「コスプレイヤー」という肩書きで活躍するタレントをよく見かけるようになった。
そもそもコスプレとは、「コスチューム・プレイ」の略で、マンガやアニメ、ゲームなどの登場人物やキャラクターに扮する行為を指す。しかし、いまやその定義も曖昧で、やってる本人がコスプレと言えばなんでもコスプレ。ハロウィンの仮装も、いつもと違った服を着てみただけでも、なにかに扮していればコスプレと呼ぶようになってきている。
それだけに、コスプレイヤーと呼ばれる人たちも、その意識に差があり、様々な属性に分かれているようだ。そこで、コスプレに真摯に向き合うレイヤー女子に、不思議なコスプレ界隈について聞いてみた。
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肩身が狭くなっている、“古のコスプレイヤーたち”
夏川春香さん(仮名・30歳)は、コスプレ歴10年。あくまでも趣味として活動しており、本来の意味でのコスプレイヤーという自負があるそうだ。
「私は自分の好きなマンガやゲームのキャラクターのコスプレをする、ということをやってます。レイヤーのなかには、オタク界隈で盛り上がっている流行りの作品をいちはやく取り入れるというタイプもいますが、私はあくまでも自分が好きな作品を深めるという意味でコスプレするキャラクターを選んでいます」
春香さんが主に活動しているのは「合わせ」と呼ばれる撮影会だ。仲間同士で担当するキャラを事前に決め、イベント会場や貸しスタジオなどに集合してその作品の世界観を再現するような撮影をする。お互いに顔を合わせたことがないレイヤーたちが、ネットの募集などで集まることもあるそうだ。
「私は衣装もイチからぜんぶ自分で作ります。いまは既成品もありますし、専門業者も多いので頼めばオーダーメイドしてくれます。でも私は古いタイプというか、コスプレ衣装というのは自分で作るものという意識がありますね」
自作のコスチュームに身を包み、毎週末にはコスプレ撮影に出かけていたが、最近は年に数回程度と減っているという。