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コスプレイヤーの二極化

「スタンスが違うレイヤーと交流を持つことが増えて、だんだんダルくなってきたというのはありますね。レイヤーには、コスプレをして自分がチヤホヤされたい人か、作品を残したい人かの2種類いると思います。同じコスプレを趣味にしてても、魂の形が全然違う。

 私はいわゆる腐女子なので、コスプレは自分の好きなカップリングの同人誌を作りにいっている感覚なんです。もし私がマンガの同人誌を出せるくらいの画力があれば、コスプレはやってない」

 コスプレ界隈でも、チヤホヤされたいだけのレイヤーはすぐにわかるという。

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「キャラより自分が先に出る人ですね。コスプレをしてても、そのキャラになりきれていない。そういうコの写真を見ると、同じメイクで同じ角度からとか、自分が一番かわいく見える写真しか上げないのが特徴です。

 逆にキャラクターになりたい、世界観を作り上げたいというレイヤーは、キャラによってメイクも全然違うし、なりきるためにまつ毛を切ったり、筋トレしたりとストイックなので、本当にスタンスが全然違う。自分を含めた後者は、ロケーションや小物にこだわるから、とにかく時間もお金もかかります。ただの趣味なので頑張ったほうがエラいという話ではないし、本当に大変なのでおすすめできないです。

 前者のレイヤーのほうが、気軽に楽しむ趣味としては正解なのかもしれませんね」

 自分を前面に出すようなレイヤーは、カメラ小僧が集まるオープンなイベントに出没するという。コスプレイベントは全国各地で頻繁に行われているが、なかには「18禁」という、未成年の入場がお断りというものもある。なぜ18禁なのか、実際に行ってみた。

閉鎖的で淫靡なムードのイベントかと思ったが…

 会場は、普段は業界の見本市や試験の会場として使われているような広大な貸しスペース。そこに、各出展者のブースが並んでおり、見た目はコミケなどの同人誌即売会と同じだ。しかし、各ブースには過激な写真集やCD-ROMが並び、露出度の高いコスプレをした女子たちが待ち構えている。そこにカメラを携えた参加者の男性たちが押し寄せ、コスプレ女子と会話したり、個人撮影を楽しむといった趣向だ。

 18禁と聞いて、もっと閉鎖的で淫靡なムードのイベントかと思ったが、半裸のコスプレ女子も、参加者たちも明るく、和気あいあいとこの日を楽しんでいる。

 このような18禁コスプレイベントに参加を続けているサエコさん(仮名・28歳)に話を伺った。