撮影の時には過激なポーズも…「アイドルイベントよりお得」
コスプレはコンテストではなく、趣味の世界なので、モノサシは人それぞれなのだろうか。
「本当にそうだと思います。単純に可愛い人はいくらでも入ってきますけど、消えていきますね。やっぱり有名な人は外見にも内面にも特徴がありますし、量産型の人はあんまり売れない。そういう普通の可愛さを評価されたいなら、他の世界に行くんじゃないですかね」
参加者からみれば、メジャーなメディアには出てこないようなタイプの女性がいて、地下アイドルよりも身近でリアル。そこに惹きつけられるのかもしれない。
「全体的にファンサービスがいいというのもあると思います。いまはコロナで控えめですけど、撮影タイムでは密着しますし、お姫様抱っこやハグもある。撮影の時には、過激なポーズも取りますし、普通のアイドルイベントよりはお得なんじゃないかな(笑)」
プロにとっては収入のためというのもあると思うが、なぜそこまで体を張るのだろうか。
「やっぱり、根底には自己承認欲求があるんじゃないですかね。コミケの広場とかでカメコさんに囲まれるとワーッとなりますし、こういうイベントで隣のブースより自分の列が伸びてたら嬉しい。マウントを取り合っているわけではないですけど、やっぱり自己顕示欲が満たされるというのはあって、それは収入とは関係ないですね。
SNSでのフォロワーの数も気になりますけど、こういうイベントで実際にお客さんがたくさん来てくれると『私なんかでいいの?』と思いながらも気持ちいいですね」
その快感があるから、過激な露出も恋人同士のような接触も厭わない。
「オジサンでも、どんな方でも、自分のブースに来てくれたら嬉しいので、そこは躊躇しません。私は別にアイドルになりたいわけでも、芸能界で売れたいという野望もない。自分の趣味の延長でやっていることで、そこそこ収入もあって、承認欲求も満たせるというのは、コスプレしかないのかもしれません」
同じ「コスプレイヤー」というジャンルで括られていても、その内情や想いは様々。この、わかりやすいようで実はよくわからないという部分が、いかにも日本的な文化なのかもしれない。