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2017/12/31

genre : エンタメ, 映画

スターウォーズはアメリカン・ニューシネマを終わらせた

『SW』のヒットはアメリカン・ニューシネマを終わらせた、ともいわれている。1960年代に映画製作を志したルーカスは、ハリウッド的なシステムを嫌い、F・コッポラとともにインディーズの制作会社を立ち上げている(そこでつくられたのがデビュー作の『THX 1138』だ)。ルーカスは、アメリカン・ニューシネマを終わらせたのではなく、新しい映画の方法を発明した、という方が正しいだろう。根本的な革命を起こしたのだ。

『SW』は、技術と映画ビジネスにも革命を起こした。エピソード4から6までの旧3部作の時代は、セットやミニチュアなどをモーションコントロールカメラで撮影するなどのアナログによる特撮技術(SFX)を駆使し、エピソード1から3は、エイリアンやドロイドや背景のほとんどをデジタル技術(VFX)で描くなど、最先端のテクノロジーで世界を構築している。

 これらの技術の研究開発のためにILM社、THX社、スカイウォーカー・サウンドなどを立ち上げ、そこで培われたノウハウが、世界中の映画製作に大きく貢献することになった(ご存知のように、ピクサーもルーカス・フィルムのCG部門から生まれたスタジオだ)。

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権利ビジネスとスターウォーズのユニバース

『SW』とルーカスは、VFXやCG、音響システムなど、映画のテクノロジーに新しい道を開き、その発展を導いてきたのである。ルーカスよりも少し下の世代のジェームズ・キャメロンも、同じような貢献をしている。

 ルーカス自身も、旧作を1997年に「特別篇」としてデジタル技術による一部修正版を公開した後、DVDやブルーレイが発売されるたびに、最新の技術による修正を行っている。これは、映画作品が劇場公開の1作品だけでは完結せず、時代とともに上書きされ、形を変えていくソーシャルゲームや連続テレビドラマのような形態に変化していることのさきがけでもあった。

 ビジネスの面では、マーチャンダイジングの権利を得ることで、権利ビジネスとしての映画の可能性にいち早く気づいていたのがルーカスだった。映画から生まれた様々なフィギュアやおもちゃ、ゲームやアニメが、SWのユニバースを形成している。そして、それらは映画を観ることとは違った意味で、楽しいのだ(わたしはこれまでに、どれだけのレゴ・ブロックの新作やフィギュアを買いまくったことだろう!)。