〈あらすじ〉

2025年のウクライナ東部。ロシアとの約10年に及ぶ戦争により、あらゆる街が廃墟と化し、大地は汚染され、すべてが荒みきっていた。戦争で家族を失った元兵士のセルヒー(アンドリー・ルィマールク)は、戦争終結から1年が経った今もPTSDに苦しみ、魂の抜け殻のような日々を送っていた。唯一の友人と、製鉄所の仕事も失ったある日、戦死者の遺体発掘と回収作業を行うボランティア団体に所属する、カティア(リュドミラ・ビレカ)という女性と出会う。同団体に加入したセルヒーがカティアと行動を共にするうちに、二人は心を通わせ始める。

〈解説〉

近未来が舞台のディストピア映画。傷ついた元兵士が、生きる意味に向き合う姿を描く。脚本・監督のヴァレンチン・ヴァシャノヴィチが撮影・編集・製作も担う。同監督の『リフレクション』と同時公開。109分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆2025年という設定だが、今のウクライナを思わずにいられない。死の町のアダムとイブのよう。陰惨ながら一筋の希望も。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆何年も前にウクライナでこんな映画が撮られていたのか。暗鬱で胸ふさがれるが、眼を背けたいとは思わない。映像の力だ。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆固定カメラとBGMのない光景は恐ろしいのに美しい。遺体を回収し身元を調べる作業が日常というのは想像を絶する。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★叙事詩的な視座と美学で差し出される近未来ウクライナの荒涼。死に覆われた惑星の地に残された人間の哀しみが伝わる。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆心奪う赤外線カメラの独特の映像表現、思慮深く希望すら感じる戦争についての複合体。ヴェルナー・ヘルツォークを想起。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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