日本の女性アイドルは、若くして「引退」や「卒業」の選択を迫られる。“神7”と呼ばれ、AKB48の人気を不動のものに押し上げたメンバーも、グループ卒業時の平均年齢は24.5歳だった。一般企業ではまだ若手とされる年齢で、キャリアに区切りをつけなければいけない彼女たちはその後、どんな人生を歩むのだろうか——。

 元NMB48の高野祐衣さん(28)は、2021年に所属していた芸能事務所を退所し、「日本酒専門酒屋のオーナー」へと転身する。17歳の時にNMB48でデビューした彼女は、21歳で同グループを卒業するまで、アイドルとして目まぐるしい日々を送っていた。その中で、自身の引退や卒業に、どんな思いを抱いていたのか、話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)

高野祐衣さん ©三宅史郎/文藝春秋

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日本酒を取り扱う実店舗を西浅草にオープン

――2021年に芸能事務所を退所し、2022年1月から日本酒専門酒屋「ゆい酒店」のオーナーになりました。オリジナル日本酒を作るクラウドファンディングも、目標額280%超えで達成したそうですね。

高野祐衣さん(以下、高野) 先日、無事にオリジナル日本酒「あべとゆいと」が完成しました。私好みのフルーティで爽やかな味に仕上がりましたよ。

 このオリジナル日本酒のほか、私がセレクトした日本酒を取り扱う実店舗を、2022年7月16日、西浅草にオープンします。

アイドル時代のファンが今もサポート

――クラウドファンディングは、どんな方が支援を?

高野 日本酒好きの方はもちろん、アイドル時代から応援してくれているファンの方々からもサポートしていただきました。

 NMB48を卒業してから7年も経つのですが、今でもファンの方々の存在は私の支えになっていますね。

――高野さんがNMB48の2期生としてアイドルデビューしたのは、2011年ですよね。もともとアイドルに憧れていたのでしょうか。