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「最年長で、中学生メンバーから“おばさん”と…」元NMB48の高野祐衣(28)が振り返る、アイドル時代に直面した“厳しい現実”

高野祐衣さんインタビュー #1

2022/07/17

genre : エンタメ, 芸能

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SNSや2ちゃんねるでエゴサする毎日

高野 順調……とまでは言えないかもしれませんが、研究生になってすぐに劇場公演のメンバーに選ばれたんです。その後しばらくしてチームMに加入し、シングル曲の選抜メンバーにも選んでいただけました。

 でも、キャラや個性がはっきりしている子ばかりのメンバー内で、自分の強みがわからなくてずっとモヤモヤしていましたね。当時はチームの中で最年長だったので、“お姉さんキャラ”ではあったのですが、リーダー的な役割が得意なわけでもなかった。

「メンバーには負けたくない。でも、自分がほかの人に勝てるところがわからない」と思い悩んでしまって。ファンからどう見られているのかも気になりすぎて、握手会や劇場公演が終わった後は、毎日のようにSNSや2ちゃんねるでエゴサをしていました。

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 自分の名前を検索して、良い意見を見つけるとホッとしていましたね。今考えると、アイドル時代は心が休まる瞬間があまりなかったなと思います。

卒業を決めた理由は「上に行きたいと思わなくなったから」

――2015年にNMB48を卒業したのは、「休みたい」と思ったからでしょうか。

高野 いや、「上に行きたい」と思わなくなったからです。日々のレッスンがきつくても、自分のキャラに悩んでいても、「負けたくない」「もっと上に行きたい」と思っている間は頑張れました。でも、最後のほうはそういう気持ちがなくなってしまったんですよね。

 そうすると、常に周りと比べられる環境が、どんどんしんどくなってしまったんです。例えば握手会は、参加メンバーが70人いたら、1位から70位まで全て順位が出て、自分の人気がリアルタイムで可視化されるんですよ。モチベーションを保てない中で、そんな競争の世界に身を置き続けるのは辛いなと。

 あとは、年齢のことも考えましたね。当時のNMB48の中で私は最年長で、中学生のメンバーからは「おばさん」とからかわれることもあって(笑)。

 私がNMB48に合格したのは高校3年生、17歳の時ですが、入った時点で漠然と「数年で卒業しなきゃいけないんだろうな」とは思っていました。

――卒業した時の年齢は21歳ですよね。世間一般の同世代はこれから自分の将来を考えるという人も多い中で、次のキャリアを考えなければいけなかった。

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