ちなみに、新潟の阿部酒造さんから出ている日本酒は、フルーティーでジューシーな私好みの味わいが多いんですよ。2022年1月に実施したクラウドファンディングでも、阿部酒造さんとコラボさせていただいて、オリジナル日本酒「あべとゆいと」を造りました。
――ノートは今も書いている?
高野 はい。『ゆいぽんしゅ!!』が終了したあともプライベートで書き続けて、気がついたらもう4冊目です。
日本酒は「自然と自分の心が突き動かされるもの」
――心から夢中になれるものを見つけたんですね。
高野 日本酒と関わるようになって、「自然と自分の心が突き動かされるものに、やっと出合えた」と思いました。
アイドル時代は強烈なキャラクターを持った子たちに囲まれて、ずっと「私にはキャラクターがない、ほかの人に勝てるものがない」と悩んでいました。でも、日本酒に出合って、のめり込みはじめてからは、「20代女性の中で一番日本酒に詳しいのは私なんじゃない!?」と思えるくらい自信がついて。
こんなに強く自分に自信を持てたのは、生まれて初めてだったんです。だから、未経験から酒屋になるのにも迷いはなかったですね。
酒屋のオーナーに“転身”した理由
――芸能活動をしながら酒屋をする道もあったと思いますが。
高野 実は、「日本酒タレントとして頑張ろう」と思った時期もありました。でも、そのタイミングで新型コロナウイルスが流行し始めて……。決まっていたお仕事がほとんどキャンセルになって、今後のキャリアについて考える時間がたくさんできたんです。
だから空いた時間を使って、唎酒師よりも難易度の高いSAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)という日本酒の資格にチャレンジして、無事取得できました。
そして日本酒と向き合う時間が増える中で、「タレントとして外側から日本酒に関わるのではなく、もっと内側から深く関わりたい」という思いが強くなっていったんですよね。だから日本酒タレントではなく、酒屋のオーナーになろうと決めたんです。
――全く異なる業界で新しいチャレンジをするのは、怖くなかったですか。