3人目が生まれてから、妻は専業主婦に
──そうやってスイッチが入った結果、独立して経営側になったわけですね。だから4人目以降の子どもをつくれたと。
柳田 はい。ただ、たしかに結婚当初より収入は増えましたが、出ていくお金も多くなりました。上の子どもたちの教育費や進学費用もかかりますし、3人目が生まれてから妻も仕事をやめましたから。妻は働き者で、できるかぎり外に出たいタイプなんですが、さすがに3人の子どもを育てながら働くのは無理みたいでした。
とはいえ、伝票整理などの店の事務作業は妻にやってもらいました。だから保育園に入れることができたんです。保育園がダメで幼稚園しか入れなかったらヤバかったと思いますね。
──これから子どもを持つ人たちのために、実際に利用してみて感じた保育園と幼稚園の違いを教えてください。
柳田 うちは4番目の三男まで全員保育園だったんですが、1回くらい経験しておこうと思って、5番目の次女を幼稚園に入れてみたんですよ。事前に知ってはいたけれど、幼稚園は午後1時ぐらいに子どもが家に帰ってくるのがやっぱりツラい。
しかも、幼稚園は行事が多く、その行事に親が参加しないといけないんです。PTAのようなコミュニティもあるし。さらに制服代や送迎代もかかり、そのくせ短い時間しか子どもを見てくれない。やっぱり幼稚園は無理だと、1年で音を上げました。
──保育園のほうが行政の恩恵も受けやすい印象ですね。
柳田 そこは妻がやってくれたので詳細はわかりませんが、2人目以降は費用も割安になったと聞いています。それでいて、最長で朝8時から夜7時まで子どもを見てくれる。うちのような子どもの多い共働き夫婦にとって、保育園というのは本当にありがたい存在だと思いましたね。
行政の恩恵という意味で言うと、児童手当も助かります。中学校を卒業するまで1人につき1万円の児童手当が支給されますし、3人目以降は小学校を卒業するまで1人につき1万5000円が支給されるんですよ。6人合わせたら年間100万近くもらっていた時期もあると思います。
「奥さんが好きだから結果的に子どもが増えた」
──それだけいろいろ苦労しても、子どもを6人つくって良かったと思いますか。これからもさらに教育費がかかりますが。
柳田 子どもへの教育投資の効率を考えるんだったら、たぶん長男と長女で打ち止めにしていたと思います。その2人にお金をかけて高いレベルの教育を受けさせたり、何かスポーツをやらせたりしたと思います。じゃあ、なんでうちは6人もいるのか?