大家族の人にアンケートを取ったら同じ回答になると思いますが、結局、奥さんが好きなんですよ。奥さんも、ダンナのことが好き。その結果としてたくさんの子どもに恵まれた。なかには子どもをつくる行為が好きって人もいると思いますけど(笑)。
──子どもが好きだから6人もつくったというより、奥さんのことが好きだから結果的に子どもがたくさん生まれたと。
柳田 僕も結婚前はそれほど子どもが好きというわけではなかったですから。でも、大家族は毎日が楽しいですよ。
うちの家族はいま、毎月のランニングコストを抑えるために1500万で買った小さな中古物件に住んでいるんです。フルリフォームして。間取りは3LDKで、1階のLDKはかなり広いんですが、2階にはたったの3部屋しかない。うちは8人家族なのに……。
だから夜寝るときは2階に雑魚寝状態で、普段は下の広いリビングに家族全員が集まっているんです。
──6人の子どもたちは自分の部屋がないんですね。
柳田 そういうことです。だから自然と家族のコミュニケーションが深まる。もちろん喧嘩が始まったりもしますが、家族間の距離がすごく近い。そのためなのか、長男も長女も、思春期特有の反抗的な態度を取る時期がほとんどありませんでした。
やっぱり子どもが多い家って助け合わないとやっていけないんですよ。とくに長男や長女は同世代の子より大人にならざるをえない。小さい子を抱っこしたりベビーカー押したりするのも手慣れたもので、その辺のお母さんより上手だと思います。
若いときに結婚しちゃえって思う
──最後にひとつだけ、7人目をつくる予定はありますか。
柳田 さすがにもうないです(笑)。ただ、これから結婚する世代の人たちに言いたいのは、お金がないから結婚できないとか、行動しないのを「何かのせい」にしないでほしいってことです。お金がなくても、結婚することも子どもを持つこともできます。
国の子育て支援が足りないという声も聞きますが、僕の実感としてはけっこう支援してくれています。だから、若いときに結婚しちゃえって思いますね。若いときって知識や経験がないから、勢いだけで行動することができるんです。考えすぎるからイーロン・マスクに日本は消滅するって言われるんですよ。
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そうはいっても、月給15万円で結婚して子どもを6人もつくるなんて離れ業は普通の人にできることではない。いずれにしても、柳田さんが指摘するように立ち止まって考えてしまう人が多い以上、日本の出生率はこのまま下がり続けていきそうだ。