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天才女形、DV騒動、離婚…早乙女太一30歳の評価が上がる理由

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 韓国ドラマ「梨泰院クラス」をリメイクした竹内涼真主演の「六本木クラス」(テレ朝系)。第一話からヒール役で存在感を示したのが早乙女太一(30)だ。

「竹内と対峙する実業家・香川照之の権力を笠に傍若無人に振舞うドラ息子役。竹内に顔を殴られ、香川からも頭を金属ネットに押し付けられるなど血まみれの熱演を見せた」(放送記者)

早乙女太一©文藝春秋

 早乙女は両親が所属する大衆演劇の劇団「葵劇団」で4歳の時に初舞台。女形が俳優の出発点だった。

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「その才能を買った北野武が監督・主演の『座頭市』に芸者姉妹の妹役で11歳の早乙女を起用。“天才女形”と評判になり、涼しげな眼差しから『流し目王子』とも呼ばれた」(演劇記者)

 だが、当時は周囲に心を閉ざしていたという。

「幼少時から旅回りの連続で、友達ができてもすぐに次の土地に。指導する父親もスパルタな上、健康ランドなどで酔客から『下手くそ!』とヤジも飛ばされる日々。取材をしても『そうですね』『別に……』しか言わず、インタビュアー泣かせで有名だった」(同前)

 本人も女形を演じることが「大っ嫌いだった」といい、「男が女装するのって格好悪いと思い、“やらされている”という気持ちが強かった」と語っている。

 そんな早乙女を変えたのが、他の舞台への進出だ。

「特に古田新太が所属する『劇団☆新感線』に美剣士役などで何度も客演。『憧れていた舞台で殺陣をやらせてもらい、刺激を受けた』と語っていた」(同前)