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生まれつき左手の指なくても…二刀流で活躍する中学生野球選手「他の子と違うけど、違うとは思ってない」

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genre : ライフ, スポーツ, 教育, ライフスタイル

note

横山温大くん:
ピッチャーをやる時は普通に左手にはめてそのまま捕るけど、外野をやるときは左手だと掴めないので、右手で掴んで握り変えてやる

 

現在は義手を使っていない。ピッチャーの時は、手首をマジックテープで固定する特注のグローブを左手に。

 

そして、外野では普通のグローブを右手につけ、捕球したら素早くグローブを外し右手で投げている。

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横山温大くん:
グローブを取ったりはめたりする時間があるので、最初は苦労しました

 

バッティングは力強いスイングで、主軸の3番を任されている。温大くんが左バッターなのには、ある理由があった。

横山温大くん:
左打ちの方が右手で振りぬきやすい。左手は球が当たるところで押し込むくらいで、あとは右手一本で

 

激しい練習で手が痛くなることはないのだろうか。

横山温大くん:
最初の方は結構痛かったけど、今はもう慣れました

ハンデを感じさせない「二刀流」だ。

野球が強い高校めざし 自宅でもお父さんとバッティング練習

 

この日、温大くんを訪ねてきたのは、バッテリーを組む同じ中学の川上洸晶(こうせい)くん。叔父さんは元ドラゴンズの川上憲伸さんだ。

 

チームの練習がない日は、週に2日ほど一緒に練習をしている。

川上洸晶くん:
温大は狙っていない球が来ても対応できるので、それがすごい

 

川上くんが帰った後も、仕事終わりのお父さんとバッティング練習と、タオルを使ってシャドーピッチング。人一倍努力しなければと、黙々と腕を振り続けた。

 

そんな温大くんのために、お母さんが夕食を準備していた。

母・尚美さん:
気持ち多めに。サラダだと食べないので、カレーの中に野菜を混ぜて

横山温大くん:
いつも通りおいしい

 

母・尚美さん:
本人の希望は、野球が強い高校にいくことですけど、頑張ってもらいたいし、努力をして後悔しないようにやってもらいたい

全国大会の予選は初戦敗退も…高校でレギュラーを目標に

 

3年生にとって最後の全国大会への予選が、間近に迫っていた。