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 離婚調停を申し立てたのはAさんではなく、不倫をした狩野選手側である。2人がまだ協力して不倫問題に対処しようとしていた2021年秋頃から、一体何が起きたのだろうか。

 詳しい話を聞こうとすると、Aさんは「すみません、私からはこれ以上は話せません」と再び口を閉ざしてしまった。改めてAさんの友人に話を聞いた。

Bさんから狩野選手に届いたLINE。「祐介の息子がもう1人この世に居る事だけは(中略)覚えておいて下さい」と書かれている

「AさんはBさんに慰謝料を請求すること、Bさんが生んだ子供のDNA鑑定を望んでいたのですが、祐介くんは協力しようとせず、Bさんの身元やフルネームを伝えることすら拒否したそうです。さらに話し合いの中で、2020年初頭にも遠征先の北海道で別の女性と不倫していたことが発覚。この女性との関係もチームメンバーとの飲み会がきっかけ。お互いに冷静になるためにと2021年の11月から別居が決まり、祐介くんがまず家を出て、その後AさんもBさんに知られている家で過ごすのが苦痛になって子供と一緒に実家に帰りました。祐介くんの同意も取り付けて、2022年の3月に引っ越しました。その時点でもAさんはまだ離婚は考えていなかったようですが……」

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「書面は、協議離婚を求めるものでした」

 別居が始まってから4カ月後、夫婦関係の修復を望んでいたAさんのもとに、狩野選手の代理人弁護士から1通の書面が届いたという。そこには驚きの内容が書かれていた。

狩野選手がAさんに送った、離婚協議の開始を提案する書面

「書面は協議離婚を求めるものでした。祐介くんが女性問題を起こしたことは認めながらも、Aさんが関係修復のための配慮やサポートをしなかったので婚姻関係を続けることはできないと、Aさんを非難する内容でした。Aさんは狩野の不倫が発覚して以降食べ物が喉を通らず、目に見えて痩せていました。自分の声が響いて耳が聞こえにくくなる耳管開放症という病気にもなっていました。それでもAさんなりに関係を修復したいと思っていたようですが……」

 友人からの証言を改めてAさんに確認したところ事実関係を認め、狩野選手についてはこう語った。

「今も彼を許したいという気持ちは変わりません。もし彼が誠意を持って私と息子に向き合ってくれるなら、どんな結末になっても彼を許し、前を向いて歩いていける気がするんです」

 その狩野選手は今年5月に名古屋ダイヤモンドドルフィンズでのシーズンを終え、古巣の滋賀レイクスターズへの移籍を発表して9月末の開幕を待っている。Bリーグを長く取材する記者によれば、名古屋ドルフィンズからは不倫はプライベートの問題ということで処罰はなく、現在は滋賀の新築マンションに引っ越して悠々自適の生活だという。