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《男性更年期障害を告白》ヒロミ(57)が語る令和のオジサンの“生きづらさ”「昭和世代の僕らは休み方がわからない」「体調が悪いと言えない」

ヒロミさんインタビュー#1

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「男性更年期障害です」と言われてホッとした

――病院では、ホルモン値などを測ったのでしょうか。

ヒロミ そうですね。採血して、診察で症状を話したら、「更年期ですね。男性ホルモンのバランスが崩れています」と言われて。

 それまでは心のどこかで「ヤバい病気だったらどうしよう……」と思ってたから、更年期だとわかって、ホッとしたところはあったかな。

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©文藝春秋 撮影/平松市聖

――その後、薬も飲んでいるそうですね。

ヒロミ 男性ホルモンの薬をもらって、今も飲んでます。正直、効いているのかはよくわからないけど、止めどきがわからないし……薬を持っていたほうが安心するんでね。

「ちょっと不調」くらいじゃ休めない

――周りの人は、ヒロミさんのそういう変化に気づいていたのでしょうか。

ヒロミ いや、僕はママ以外には誰にも言わなかったし、スタッフはたぶん気づいてなかったと思いますね。動悸や汗がひどくても、収録ではきちんと仕事をしてたし、テレビを見てる人も気づいてないでしょう。

――やっぱり、話しづらいものですか。

ヒロミ 病院で診断されてからは、同世代や先輩に話しましたよ。そしたら「あぁ、それ更年期だよ」「俺もそんなことあったわ」という人が意外と多くて。みんな周りに言わないだけで、これを経験して乗り越えてるんだなと思いましたね。

 僕らの世代は、ちょっとした不調くらいで休んでこなかったからね。やっぱり、大っぴらにはできないですよ。

休まないのが当然だから「休み方がわからない」

――最近は芸能界やスポーツ界でも、休養する方が増えています。

ヒロミ 体調不良で休んだり、しばらく休養をとるのは、若い人たちが多いですよね。

 もちろん休むことは大事。それはわかってるんだけど、僕らの世代ってなかなか休めないんですよ。今は芸能界も「コロナやインフルエンザになったら休む」みたいなルールがあるけど、昔は現場で倒れて、やっと病院に行くような風潮でしたからね。

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――今だとパワハラといわれそうな働き方ですね。

ヒロミ そうそう。でも俺らが育ったのは、そういう時代だからね。先輩も同世代も、休む人はまずいなかったし、「体調が悪いから休みます」なんて、よほどのことがないと言えなかった。

 僕は休んだことないからね。だから今、若い人が普通に休むのを見て、びっくりする気持ちは正直ありますね。

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