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いちばん過激なウルトラマン派閥は?

「まず【昭和ウルトラマン派】は、独りでいる分には大人しいオジサンが多いですね。自分が子供だった頃の作品に執着が強く、かつて小学館の学習雑誌に掲載されていたウルトラマンの記事を一言一句間違わずに覚えていたり、古いオモチャを買い漁ったりします。みなさんいい年でカネを持ってるので、メーカーからしてみればありがたいお客さんだと思います」(倉田さん)

 そして【平成ウルトラマン派】となると、さらに流派が分かれるという。

「TDG三部作と呼ばれる『ティガ』『ダイナ』『ガイア』のファンと、それ以降のシリーズのファンできっかりと分断されます。このTDGマニアがウルトラファンのなかでもいちばん過激で、この3作以外は認めない。平成といえど25年前の作品ですが、いまも考察や追っかけをやり続けているのです」(倉田さん)

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 それに比べると、最近の「ニュージェネレーションヒーローズ」と呼ばれる新シリーズのウルトラファンは比較的穏やかだったというが……。

「ウルトラマンの新作はテレビ東京系列(かつてはTBS)で放送されるようになり、いい意味でも悪い意味でもこぢんまりと落ち着いた雰囲気になりました。

 この辺りから入ったファンはまさに新世代で、過去に縛られることなく普通に楽しんでくれていたんですが、昨年『ティガ』のエッセンスを受け継ぐと銘打って放送された『ウルトラマントリガー』がヒットし、グッズ販売などで過去最高益を出したことで場が乱れはじめました。

 現在放送されている『ウルトラマンデッカー』は『ダイナ』がモチーフなので、TDG至上主義マニアたちが、また暴れだしそうです」(倉田さん)

 とはいえ、平成以降のウルトラファンたちの間では『シン・ウルトラマン』は、あまり話題になってない印象があったという。

「初代ウルトラマンを掘り下げて喜ぶのなんて、還暦近いおじいさんだけですよ。グッズまわりでも、そんなにヒットしたという話は聞かないですね」(倉田さん)

 これと同じことが、来春公開予定の「シン・仮面ライダー」でも起こりそうだという。

「仮面ライダーファンも世代がくっきり分かれてますからね。まず【昭和仮面ライダー派】がいて、その中にシリアスな設定を愛する『石ノ森章太郎原理主義者』がいます。あと『仮面ライダーBLACK』は、それだけを追ってるマニアがいますね。

 そして【平成ライダー派】も『カブト』までと、それ以降に分かれます。というか、『電王』が突出していて、ファンも多ければアンチも多いという状況ですね」(倉田さん)