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「すごい汗で、下着を1日に3組ぐらい取り替えて」 加賀まりこ78歳が明かす、“罰”と思うほどひどかった50代の更年期

「すごい汗で、下着を1日に3組ぐらい取り替えて」 加賀まりこ78歳が明かす、“罰”と思うほどひどかった50代の更年期

加賀まりこさんインタビュー #2

2022/07/29

 更年期を乗り越えるには、楽しみを見つけることよね。私の場合は、麻雀。集中できるから、その間はもう「体が辛い」とか忘れられるのよ。頭の中がウニみたいに煮詰まったときは「もういいわ」って、友達を集めて3時間ぐらい麻雀をやった方が、セリフもスッキリ入った。

コーヒー代は絶対おごらせずに自分で払う

 私はお酒は飲まないんです。飲むと具合が悪くなるので病院で調べてもらったら、飲めない体質だというのがわかった。だから若い頃は、六本木族だなんて言われてたけど、全然遊んでなんかいないわよ。キャンティだって、ボウリング仲間のご両親がお店を開くっていうので高校生の頃から通っていたけど、あそこはご飯を食べるところだから。三島由紀夫とか丹下健三とか、芸能界じゃ会えない人たちがいっぱい来るから、その面白さはあったけれど。

 みんながお酒を飲んでも、私はコーヒー。だって、自分で払うんだもん。小娘にみんな奢りたいと思ってたかもしれないけど、私は絶対それはさせなかった。

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 17歳の時、『涙を、獅子のたて髪に』(62)のヒロインを探していた寺山修司と篠田正浩にスカウトされて、松竹に入社。以来、コケティッシュな魅力を放った『月曜日のユカ』(64)、船で春をひさぐ母親を演じた『泥の河』(81)、「花より男子」シリーズ(05~08)といつの時代も代表作があるが、女性として年輪を刻むことを恐れていない。

なんでもお品良く、万事無難じゃつまらない

 77にもなって歳をとった役じゃなかったら、怖いでしょ。若く見せたいという欲は更年期の頃に吹っ飛んだ。もちろん40代、50代の頃は悩んだし、太ってくるとやっぱり焦る。若い男にモテたかったから(笑)。

『月曜日のユカ』は、それまでなら清純なヒロインに対する敵役になった役を、主役で撮れるようにした、っていう自負はある。『美しさと哀しみと』もそうね。男に縛られない強い女。今はそういう映画が作られないのは、女優に魅力がないからでしょうね。それとも、強い女にあしらわれることをよしとする、大人の男がいないからかしら? 世の中、なんでもお品良く、万事無難っていう感じになってるけど、それじゃ、つまんないぜ、人生。振り込まないと。

text:Ayako Ishizu
photographs:Asami Enomoto
hair & make-up:Hiroshi Nomura
styling:Satoko Iida

梅切らぬバカ[DVD]

加賀まりこ (出演)

塚地武雅 (出演)

和島香太郎 (監督)

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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