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店の延長率は、多いときには100パーセントを記録

 もちろん僕は僕で早飲みには自信がありますし、勝負は一瞬。嘘偽りなくこのゲームで僕が負けたことは1度もありませんでした。

 この方法を取り入れてからは、店の延長率は80パーセント、多いときには100パーセントを記録し、売り上げも面白いほどに上がっていき、まさに荒稼ぎ状態でした。

 それでもトラブルは避けられません。1度、早飲み勝負を巡って団体客と揉めたことがありました。

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 そのとき、店にやってきたのは8人の団体客。大口のお客さんです。セットの時間が終わり、チェックを告げられたところで早飲みゲームを提案しました。大人数であればあるほどそれなりに自信がある人がグループのなかに1人はいるもので、その際も周囲は「やれや、やれや」の大合唱。急いでグラスを用意しました。

 しかし、いざ僕が勝負に勝つと、その団体客は「帰るわ」の一点張り。こちらも「そうですか」と言うわけにはいきません。

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「俺も体張ってここまでやったんや。わかったうえでゲームしたんちゃうんか!」

 それからは押し問答です。こちらもノルマがあるぶん、簡単に引き下がれないという事情もありました。売り上げを伸ばすためには仕方がありませんでした。

 いま振り返れば300万という額を提示した西川さんも、どこかで現実的な数字だとは思っていなかったように感じます。それほど破格の金額であったのは間違いありません。

 一方で延長率の高さを確保できてからは、西川さんへの300万を差し引いても手元には毎月800万程度が残るほどの儲けが出ていました。実入りに比例するように金遣いも荒くなっていき、それまではいっさいやらなかったギャンブルにも手を出し、毎日のようにミナミの闇カジノに通うようになりました。

 ひどいときにはバカラで1日に700万から800万ほど負けることもありました。

 店の調子が良くなるほど金銭感覚は麻痺していくようになりましたが、それは同時に、子どものころに生まれた金への恐怖心からようやく解放された日々でもありました。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。