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 一方で、「私も夫に同じことをしていたかもしれない」という声もたくさんいただいていたんですよ。担当の編集さんにも、「賛否両論あると思うけど、誰にでも起こり得るし、気づかずにやっている人も多いかもしれない。読んだ人が考えるきっかけになる話だからこそ、描き続ける意義が大きい」と言っていただいて。

 自分の恥ずかしい過去をさらけ出すのはしんどい作業でしたが、読者の声と、編集さんの言葉に後押しされて書籍化することができました。

©いくたはな/KADOKAWA

今は穏やかな関係だが、夫婦生活は何があるかわからない

――漫画を描き続けるなかで、「ここまで関係がこじれているのに、なぜ離婚しないのか」という声もあったそうですね。

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いくた そういうコメントをしてくれた方々は、「離婚したほうが幸せになれるのでは」と感じて助言をしてくれたんだと思います。でも、離婚するかどうかは夫婦の問題で、私たちの中ではその結論に至るほどではありませんでした。

 ただ、「もし夫と離婚したら、どうやって生きていこう」って考えることはありますね。今は穏やかな関係が続いていますが、夫婦生活は何があるかわからないじゃないですか。ちなみに、決して今すぐ離婚したいわけではないですよ(笑)。

――旦那さんは漫画の内容を知っているのでしょうか。

いくた 夫のことを漫画にする時は、もちろん相談しています。そのうえで「この話は載せないでほしい」と言われたことは描きません。だから、どんな話が掲載されているかは知っているはず。だけど、手にとって読んだことはないんじゃないかな。

©いくたはな/KADOKAWA

――自分が悪く言われている漫画を見たくないから?

いくた いや、「恥ずかしい」とか「照れくさい」という感情のほうが強いみたいで……(笑)。私が描いた漫画を積極的に読むことはないですけど、漫画家としての活動は応援してくれていますね。

――そもそも、いくたさんが「夫に対してモラハラをしているな」と気づいたきっかけはなんだったのでしょう。

いくた 直接のきっかけは、夫に「ママがしていることは、モラハラだよ」と言われたことです。でもその前から、「夫に対してきつく当たっているな」という自覚はありました。一番辛く当たっていたのは、『夫を捨てたい。』をInstagramで連載していた時ですね。

――夫からモラハラされる話を描いている時には、ご自身がモラハラをしていた。