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「夫に助けてほしい、手を差し伸べてほしいと思っていたけど…」モラハラ経験者の主婦漫画家が明かす、夫婦関係修復後に感じた“心の変化”

いくたはなさんインタビュー #2

2022/07/31
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 2021年9月の発売後、SNSなどで話題となった漫画家・いくたはなさんの著書『夫にキレる私をとめられない』(KADOKAWA)。同書では、夫へのイライラや不満を抑えられない彼女の言動が赤裸々に綴られている。

 “モラハラ妻”と化したいくたさんはその後、夫のひと言によって自身の過ちに気づき、話し合いを重ねながら夫婦関係を修復していったという。いったいどうやって、夫との関係を立て直したのだろうか。そして、一度失敗した彼女だからこそ語れる、良好なパートナーシップを築くために必要なこととは――。(全2回の2回目/1回目から続く)

©いくたはな/KADOKAWA

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夫の前向きな姿を見て、誤解していた時もあった

――ご自身が「夫にモラハラをしていた」と気づいてからの夫婦関係は?

いくたはなさん(以下、いくた) 私が夫に謝罪したら、「起こってしまったことはしょうがないし、これからもぶつかることはあると思う。だから、何か問題が起こったらその都度話し合っていこう」と言ってくれたんです。

 夫は過去のことを引きずらない人なので、それ以降、ギクシャクすることはありませんでした。

©いくたはな/KADOKAWA

――旦那さんは前向きな方なんですね。

いくた 夫の前向きな性格には、すごく救われています。でも以前は、その前向きな姿を見て「私がこんなに悩んでいるのに、真剣に取り合ってくれない」と誤解していた時もあって。

 例えば、結婚式の準備の時や、初めて子どもが生まれた時、私が大変な思いをしている様子を見ても「なんとかなるよ!」と言うだけで、自分から何かをしようとはしなかったんです。

 そのことについて、後々になって夫に聞いたら「ママが楽しそうにやっていたから、邪魔しちゃいけないと思って、そばで応援していた」と言っていたんですよね。彼は、私が辛い思いをしていたことに気づいていなかったみたいで。

――2人の間ですれ違いが起きていた。