夫に「これからも漫画を続けるつもり？」と聞かれ……
いくた 夫は高校時代の同級生だし、それなりにお互いのことを知っているつもりでした。でも、何年経ってもわからないことはあるんですね。
私は会社を辞めてフリーの漫画家として活動していますが、まだ会社員を続けながら漫画を描いていた頃、夫に「これからも漫画を続けるつもり？」と聞かれたことがありました。その時は「こんなに頑張っているのに、夫は反対なのかな」と悲しい気持ちになってしまって。
でも後から聞いたところ、本業と漫画の仕事で手一杯になっている私を心配した言葉だったらしいんです。2人ともお互いのことを思っているのに、心配の仕方がズレて、すれ違いが起きていました。
今は夫と家事や育児の話で盛り上がれるように
――最近の夫婦関係はいかがですか？
いくた 今でも喧嘩をすることはありますが、基本的には穏やかに過ごせています。夫は以前にも増して、家事にも育児にも積極的ですね。特にお願いしたわけではないのですが、私が家事や仕事に専念できるように気を遣ってくれているみたい。
あと、夫と家事の話で盛り上がれるようになったのが嬉しいです。「お風呂場のあの部分が掃除しづらいよね」とか「洗濯物を畳む時は、こうするとやりやすいよね」とかを話しています。
――育児の話もするのでしょうか。
いくた もちろんです。うちは子どもが4人いて、上の3人は男の子なんですが、夫はその子たちとキャッチボールをして遊ぶのが楽しくてしょうがないみたい（笑）。
最近知ったのですが、彼は「子どもと一緒にキャッチボールをする」ことを夢に見ていたらしくて。子どもが生まれてからそこに至るまでに数年かかりますけど、夫はキャッチボールに憧れすぎて、その間の育児期間のことを考えられていなかったんです。
だから長男が生まれた時、夫は育児に対して積極的に動けなかったのかなと。こういうのも、いろいろな話し合いを経てわかったことですね。
――ご長男が小さい時は、いくたさんの“ワンオペ状態”だったんですよね。
