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「夫に助けてほしい、手を差し伸べてほしいと思っていたけど…」モラハラ経験者の主婦漫画家が明かす、夫婦関係修復後に感じた“心の変化”

いくたはなさんインタビュー #2

2022/07/31
note

パートナーとの間に問題が起きた時の対処法

いくた 頼りすぎないと言っても、自分だけで全部背負い込むという意味ではありません。

 相手はどうしたら行動してくれるのか、その行動をしたくなるには、自分はどう動けばいいのかを考えるようにしたほうがいいということです。

 パートナーとの間に何か問題が起きた時、相手に変わってもらうより、自分がその考え方を持てるように変わったほうが確実だし、問題の解決も早いかなと思います。

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――しかし、余裕をなくしている時に「自分が変わろう」とは思えないのでは。

いくた それはその通りだと思います。余裕がない時ほど、パートナーに対して「私は辛いんだからあなたがやってよ、助けてよ」と思いますよね。私自身、自分をうまくコントロールできなかったから、夫と衝突してしまったわけですし。

 でもその経験を通して、「自分を変えられない状態で、相手を変えようとするのは無理だ」というのがわかったんです。

©いくたはな/KADOKAWA

――まずは自分自身に目を向ける必要があると。

いくた それに自分が辛い状態を掘り下げてみると、根本の悩みは別にあることも多いんですよね。私の場合だと、漫画の原稿の締切が重なって精神的に追い込まれていたのが、余裕がなくなっている根本的な理由でした。

 今はそういう状態になった時に、「夫に辛く当たってまで原稿を描かなきゃいけないんだっけ?」と自分に問いかけるようにしています。そして、思い切って寝てみると思考がクリアになって、やるべきことが見えてくるんです。私の場合は「寝ること」が思考を回復するアクションみたい。

 ただそこは人それぞれ違うと思うので、何をすれば自分の機嫌を取れるのか、把握しておくことが大事ですね。そうすれば精神的に余裕が出てくるし、不満を堪え続けるような状態にもなりにくいと思います。

©いくたはな/KADOKAWA

辛い気持ちはパートナーに吐き出したほうがいい

――自分のメンタルケアをすることが、結果的にパートナーへの気遣いになるのかもしれませんね。

いくた どうすれば自分の感情をコントロールできるのか、言語化できる人は意外と少ないんですよね。だからこそ、自分のことについて考えておけるといいのかもしれません。

 自分の好みを知って、自分の機嫌を取りながら、自分ができることを考えていく。そうすると、結果的に必要なサポートも明確になって、周りにも頼りやすくなると思うので。

 とにかく、我慢を溜め込まないでほしいですね。辛い気持ちはパートナーに吐き出したほうがいい。そして、パートナーの話もぜひ聞いてください。すぐには変わらないかもしれないけど、その繰り返しを行うことで、少しずつ“互いに気遣いができる関係”になっていくんじゃないかなと思います。

夫にキレる私をとめられない (LScomic)

いくた はな

KADOKAWA

2021年9月15日 発売

「夫に助けてほしい、手を差し伸べてほしいと思っていたけど…」モラハラ経験者の主婦漫画家が明かす、夫婦関係修復後に感じた“心の変化”

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