近年、「DINKs」という生き方が再び注目されている。DINKsとは「Double Income No Kids」の略で、子どもをつくらない選択をした共働きの夫婦のことを指す。
フリーランスのYouTuber・ライターの菅原恵利さん(35)も、DINKsになることを決断した1人だ。2017年に5歳年下の男性と結婚した彼女は、入籍前から「子どもを産まない」と公言していたという。
「私たち夫婦がそのスタイルを選択しただけで、子どものいるご家庭には、また違った幸せがあるのだろうと思います」と自身のスタンスを語る菅原さんに、子どもを持たない生活を選択した理由や、その考え方に至るまでの経緯について、詳しく話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)
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「お母さんになりたい」という夢がない
――菅原さんは2017年に夫の拓也さんと結婚されていますが、結婚前から「子どもは産まない」と伝えていたそうですね。なぜ子どもを産まないと決めていたのでしょうか。
菅原恵利さん(以下、菅原) これは私個人が長年抱いている考えなのですが、一言でいうと「お母さんになりたい」という夢がなかったからです。人は誰でも大なり小なり夢を持っていて、その内容はそれぞれ違いますよね。お金持ちになりたいとか、綺麗になりたいとか、あるいは野球選手になりたいとか。
でも例えば、野球選手になりたいと思っていない人に、いくら「野球選手になったら幸せだから!」と言っても、きっと響かないと思うんです。私もそれと一緒で、いくら周りに「お母さんになったら幸せになれる!」と言われても、お母さんになりたいという思いが芽生えませんでした。
だから夫にプロポーズされた時も「私は子どもを持つつもりがないけど、それでもいいの?」と確認しました。
――その時の拓也さんの反応は?
菅原 「子どもはいてもいなくてもどっちでもいい。恵利がそばにいてくれたら、それだけで幸せ」と言ってくれましたね。
夫と出会うまでは、「私は子供を産まないという考え方だから、結婚はできないだろう」と思っていました。でも、生涯のパートナーを持つことには憧れていたんですよね。夫婦や恋人同士じゃなくて、友だち同士でもいいから、そういう存在がほしかった。どんな時でも「そばにいるから大丈夫」と支えてくれる人がいたら、どれだけ心強いだろうと。
――それを叶えてくれたのが、拓也さんだったと。