効率を愛する時代のなかで、アナログな過去に共鳴する者たちがいる。タイパもコスパもかなぐり捨てて、車との対話にこだわるオーナーたちの素顔とは?
今回は「Nostalgic 2days 2025」の出展者から、スズキの原付バイク「蘭」に乗るレイ・ランさんをご紹介。
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令和に見つけた「昭和の魅力」
昔から趣味と呼べるようなものがなくて、ずっと「何か熱中できるものが欲しいな」とは思っていたんです。高校生くらいの頃はK-POPにハマっていましたが、趣味とは少し違いますしね。
それで、22歳で車の教習所に通ううち、「車っていいかも」と思うようになったんですよ。免許を取ってから、少し変わった車種を探してみたところ、目に留まったのが光岡自動車の「レイ」という車種でした。
ミラジーノがベースの軽自動車なんですけど、レトロな外観に一目惚れして。ピンクの車両を買って、一昨年は「ガールズカーコレクション」というイベントに出し、嬉しいことにグランプリまでいただいたんですよね。
それから原付に惹かれたのは、たまたまテレビで見た『アメトーーク!』の原付特集がきっかけでした。「原付もいいなぁ」と色々調べていると、当時付き合っていた彼が「蘭ってバイクがあるよ」と教えてくれたんです。
昭和な見た目がすごく気に入って、一文字の名前も素敵だなって。愛車のレイも「麗」の字が由来ですし、ビビッときたんですよね。
最初はデザインと名前に惹かれて買ったバイクですが、実際に乗ってみるとフィーリングがすごくよくて。昭和の乗り物感というか、体にしっくりくる感じがあって、乗れば乗るほど好きになっていきました。
やっぱりレイや蘭を買ってからは、自然と普段からレトロなものに目が行くようになりましたね。昭和の家電とか、機械の説明書とか、見ているだけでノスタルジーを感じるじゃないですか。
実際にレイは通勤にも使っているのですが、仕事が学校給食の調理師なのもあって、職場の駐車場ではかなり目立ってしまいますね。レイも蘭も珍しい車両ですから、知り合いにどこに行ったかすぐにバレてしまったり。
ただそれでも、今はもう新しい普通の車に乗ろうとは思いません。むしろマークIIやソアラ、バイクだとクレタク(タクト・クレージュ仕様)とか、欲しい旧車がどんどん出てきているので……。
これからもお仕事を頑張りながら、こういうレトロな乗り物を維持していけたらいいなと思います。

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