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「闘牛は戦うことが命…」「引退後は食べられるか、種牛になるか」闘牛ギャル(21)が悩む、厳しい選択肢

「闘牛は戦うことが命…」「引退後は食べられるか、種牛になるか」闘牛ギャル(21)が悩む、厳しい選択肢

闘牛ギャル・神谷美姫さんインタビュー#2

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一ー闘牛士を始めてから周りの反応はいかがでしたか。

神谷 家族はびっくりしていました。でも、父は喜んでいると思います。共通の会話が増えたので喧嘩もしますけど、前よりも良い関係になった気がします。毎日牛舎で闘牛のコンディションを報告するのが日課ですね。

こうちゃんをなでる神谷さん

 友達は理解してくれていますね。それこそ前は毎日のように遊んでいましたけど、こうちゃんと出会ってからは遊びに誘われても、「今日はこうちゃんの面倒をみるから」って断ることも増えました。それでも友達は「頑張れ!」って応援してくれます。今は、こうちゃんのために夕方から居酒屋、そのあとは朝までバーで働いています。

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種牛か食肉か…引退後の厳しい選択肢

一ーこうちゃんは今年で12歳とのことですが、闘牛の寿命はどのくらいなんでしょうか。

神谷 12歳っていうのは正直厳しいですね。人間だとおじいちゃんですし、この歳だと引退している牛も少なくないです。だから真剣にこうちゃんの将来を考えなければいけません。最近は朝から晩までずっとそのことで悩んでいて、父ともしょっちゅう言い争いをしています。

一ーこうちゃんの将来というのは?

神谷 闘牛はやっぱり戦うことが命なので、戦うことができなくなったらこうちゃんはここにいることができません。そうすると選択肢としては、種牛として一生を終えるか、もしくは食べられるかの二つに一つです。こういう話はこうちゃんは耳がいいので理解しています……。

神谷さんの話を理解しているというこうちゃん(神谷さん提供)

 私は可能な限りこうちゃんと一緒にいたいと思っていますが、歳を取るにつれてかかるお金も増えるので、現実的には難しいです。それに私自身、こうちゃんが怪我しただけでも大パニックで何日も落ち込んでしまうので、最後まで看取る自信がないです。

 父からは、「そろそろこうちゃんの今後を真剣に考えなさい」と言われているので、こうちゃんと向き合いながらゆっくり考えていきたいです。