日本の闘牛がもっともっと広まればいい
一ー神谷さんにとって、こうちゃんはどんな存在ですか。
神谷 家族です。昔は自分のことで頭がいっぱいでしたが、今は自分よりもこうちゃんのことで頭がいっぱいです。寝るとき以外は、常にこうちゃんのことを考えています。七夕のお願いも、自分の願いではなくて、「こうちゃんが元気でありますように」ってお願いをしました。
こんなに自分以外の人(牛)を大事にしようと思ったのは初めてですね。何回も言いますが、結婚できるならしたいくらいです。毎日起きたことをこうちゃんに話す時間が幸せです。こうちゃんは話すことができないけど、表情からどんなことを思っているか、私は理解できます。
一ー神谷さんはご自身の成人式にこうちゃんを連れて行きましたが、晴れの舞台をこうちゃんにも見て欲しかったということでしょうか?
神谷 そうです。「成人式にこうちゃんを連れていきたいな」って言ったら、地元の先輩が「それなら俺が車出すよ」って言ってくれて。そしたら父が「じゃあ俺が横断幕作るよ」って。そんな父を見て母が、「それなら私はガウンを作って、こうちゃんをデコレーションする」と言ってくれて。とんとん拍子で話が進んでいきました。
当日は周りのみんなもびっくりしていましたが、それ以上にこうちゃんがびっくりしていましたね。あんなに人が多い場所は初めてだったので、「何事だ!」って顔をしていました。でも、そのおかげで新聞に取り上げられたり、テレビ番組からオファーが来たりと話題になって、闘牛界を盛り上げることができたので、良い経験だったと思っています。
一ー神谷さんの今後の目標は何でしょうか。
神谷 こうちゃんのかわいさをみんなに知ってもらうことです。こうちゃんや闘牛の存在がもっと世の中に知ってもらえたらと思います。
そして日本の闘牛がもっともっと盛り上がったら嬉しいです。闘牛場に足を運ぶ人は年々減っていますし、闘牛を飼う家庭も減っています。闘牛に対して怖いイメージがあると思いますが、実際はとっても可愛い闘牛もたくさんいます。
ぜひうるま市に闘牛を見に来てください。そしてこうちゃんの可愛さを知ってもらえたら嬉しいです!
写真=鈴木七絵/文藝春秋
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