文春オンライン

連載THIS WEEK

「最後までしっかり聞いてください」東電幹部に異例の「13兆円判決」 名物裁判長の“出世とトラブル”

note

エリートコースを歩んできたが、訴訟トラブルも…

「昨年11月には、大手遊技機メーカー『ユニバーサルエンターテインメント』の子会社の資金を流出させるなどしたとして、創業者の岡田和生氏に約20億円を支払うよう命じる判決を下しています」(同前)

 一方で、フランス内の総領事館に出向経験があるほか、最高裁の民事局の課長や給与課長を歴任。2019年には内閣官房内閣審議官として民事訴訟のIT化などにも関わるなど、裁判所での出世に重要な行政マンとしての手腕も発揮してきた。同期の中でもエリートコースを歩み、順調なら最高裁判事まで上り詰める可能性もあるという。

勝俣恒久元会長 ©文藝春秋

「ただ、朝倉裁判長は自身が指揮した審理を巡り、訴訟トラブルを抱えていました」(同前)

ADVERTISEMENT

 発端は、ある女性弁護士が不公平な裁判を行う懸念があるとして朝倉裁判長に対し、忌避申立て、つまり担当替えを求めたことだ。

「すると別の訴訟で、朝倉裁判長はこの弁護士の都合がつかない曜日にばかり期日を入れようとした。忌避申立ての意趣返しと受け止めた彼女は、国と法務大臣を相手取った国家賠償請求訴訟に踏み切ったのです」(同前)

 更なる出世を果たすには、厳正中立な“訴訟指揮”が欠かせない。

「最後までしっかり聞いてください」東電幹部に異例の「13兆円判決」 名物裁判長の“出世とトラブル”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー