「午前0時を過ぎた頃でしょうか。私服警察官が広場に早歩きでバッと流れ込んできて、一斉補導を始めたんです。居合わせた少年のなかには、『俺らがなんでここに来てるのか知らないくせに!』と敵意むき出しで警官にぶちギレている子もいました。翌日には、“キッズ”は広場でほとんど見かけなくなりました」(一斉補導を目撃した男性)
少年少女が夜ごと集う新宿・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアで7月18日に“一斉補導”が行われ、警視庁は18歳未満の男女25人を補導したと発表した。トー横周辺で補導された人数は2021年1年間だけで約180人にのぼるなど、警視庁は以前からトー横の動向に目を光らせてきた。7月17日の昼に始まった一斉補導には100人以上の私服警察官が動員され、18日の朝まで続いた。警視庁の本気ぶりを社会部記者が解説する。
「この薬何?」と聞かれても…
「家出した未成年の少年少女が集うトー横は、これまでも多くの事件の原因になってきました。昨年11月の雑居ビル屋上で男性が集団リンチに遭い死亡する事件や、ホテルからの飛び降り自殺などは記憶に新しい。夏休み前を狙った今回の一斉補導には捜査に直接関係がない事務員まで数合わせに駆り出されています。トー横が“絶滅”するまでこの状態は続きそうです」
一斉補導の現場は、怒鳴り声が飛び交う騒然とした様相だったという。
「急に警察が来たので、キッズたちは不意をつかれた様子でした。オーバードーズで倒れている人もチラホラいて、まさにカオス。警察官に鞄を開けられて『この薬何?』と聞かれても、まともに返答ができない様子でした。関係ないフリをして逃げようとするキッズもいましたが、逃げ道を塞ぐ警察官に捕まり、家出やら喫煙やらの理由で近くの交番に連れていかれた後、次々とタクシーで自宅に帰されていました。
広場では警官に敵意を向けるキッズもいましたし、周囲の大人が『この子は親の許可も理解もあって来ているんだ、今から親に電話する!』などと大声をあげて抵抗する姿もありました。ツイッターに『今日は広場に来ない方がいい』とその場で書き込みしている子たちもいました」(前出の目撃者の男性)