「ネット検索で思うような結果が出ない」
「Googleの検索エンジンは質が悪くなった」
そんな風に感じる時はないだろうか。確かに、探している情報がなかなか出てこない、というのは誰にでも経験があることだ。
でも、それは本当に正しいのだろうか?
その疑問を専門家にぶつけてみることにした。
質問に答えてくれたのは、辻正浩さん。日本における「SEO(サーチエンジン最適化)」の第一人者であり、Googleの検索エンジンを常に追いかけ続けてきた人物でもある。
果たして、今起きているのはどういう現象なのか、専門家の立場から分析してもらった。
「自殺 方法」と検索しても…
1つ目の疑問。Googleの検索品質は落ちているのだろうか?
この質問に対する辻さんの答えは、ちょっと意外なものだった。
「Googleの検索結果はずっと改善し続けており、機能として悪化はしていません」
ただ、同時にこうもいう。
「ただ、いくつかの理由から『良い検索結果ではない』ことが増えているのは確かだと思います」
機能としては改善しているのに、検索結果としては良い状態ではない、というのは矛盾しているように聞こえる。それはどういうことなのだろうか?
辻さんが1つ目に挙げるのが「検索に求めるものの変化」だ。
「10年前は『自殺 方法』『死にかた』みたいな検索をすると、まさに自殺の方法がずらっと出てきました。しかし今はそうではなく、自殺予防のサイトが出てきたりする。検索に対する結果という意味では、『自殺 方法』で検索したなら、まさに方法が並ぶのが正しい。ですが、もうそのようなことは許されなくなっています。結果として検索エンジンは、単純に回答を返せる状態ではなくなったのです」(辻さん)
次に挙げるのがユーザーの「使い方の変化」だ。