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「ネット検索を利用する人の数が増え、リテラシーが低い人も相手にしなくてはいけなくなったことも大きいでしょう。検索方法に習熟した方は非常に少ない。たとえば正確に特定の単語で検索するため、ダブルクオーテーション(“”)で囲んで検索する人は少数派です」(辻さん)

 ただ、利用者が増えたのはもちろん悪いことではない。その上で、現在の検索エンジンには「それでもちゃんと結果が出てくる」ことが求められている。

「昔は検索すると『見つかりませんでした』という表示がよく出てきました。しかし今では、ほとんど目にすることがありません。それはGoogleが必死になって、『答えが出ない』ことがないようにしているんです」(辻さん)

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写真はイメージです ©iStock.com

 確かに、ここ数年「検索結果が見つかりませんでした」という表示は、よほどのことがない限り見ていない気がする。

「現在のGoogleでは、『このキーワードで検索したのではありませんか』『これが知りたかったのではありませんか』というように、検索内容の補完をすることで可能な限り答えが出るようにしているんですね。補完してくれること自体は基本的に良いことだと思います。ただその結果として、検索をして求めたものとはズレた情報が出てきた場合、リテラシーの高い人は『補完などの影響で求める回答にならなかったのだな』と検索ワードを調整できるものの、そうでない人には不満が残る、ということかと思います」

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大手サイトにない情報が見つかりづらい

 もう1つ、辻さんは大きな変化を指摘する。

「2016年以降、大手サイト以外の検索結果が上位に表示されづらくなった、という点も影響している可能性があります。特に病気などの深刻な情報でその傾向が強いですが、インターネット上の情報に信頼性が求められるようになった結果として、大手サイトが上位に表示されやすくなりました。つまり重要だがニッチな情報が大手のサイトに載っていない場合、検索では見つかりづらくなっていることはあろうかと思います」(辻さん)

 これは確かに痛し痒しだ。