あった出来事をただ描いているだけ
――漫画家としての仕事と直結しているだけに、「車中泊生活をやめてはいけない」といった強迫観念を抱いたりは。
井上 落ち込んでる時には思いますね。そういうのを全然気にしないとは言いながら、本のレビューや描いたことに対してキツイこと言われると「ああ、言われてもうたな。なんで俺、こんなことやってんねやろな」とか。次の日にはケロッとしてますけど。
これに関しては「100回描いて1回面白ければいいわ」ぐらいのスタンスで描いているので。あった出来事をただ描いているだけ。それってコミュニケーションやと思ってるんです。たとえば、大学や高校の頃とかって、友達同士で毎回オチを付けて話をしていたじゃないですか。なにか話しているだけなんだけど、たまに感動したり、怒りとか哀しみがあるから、みんなで盛り上がれる。
僕のTwitterのフォロワーさんたちとの関係も、それと一緒。僕の日常を漫画で教えているだけでよくて、たまーに劇的なことがあるから面白がってくれるというか。高校、大学の友達関係みたいな感じで、漫画家と読者の関係を築けたら新しいし、面白いなと。Twitterなら、そのやりとりが可能じゃないですか。
再婚? 現状では空想レベルの話です
――「実家に帰らないんですか?」といった声も寄せられるとのことですが、終える時は自分で終えると。
井上 そうですね。
――ちょっと気になるのが、再婚したらどうするのかなと。なきにしもあらずですよね。
井上 まあ、なしではないですね。だけど、僕のなかでは再婚って、急にどこかの会社の社長になるのと同じぐらいのレベルですよ。ファンタジーの域とまでは言いませんけども。仮に社長になったとしても、その会社のために僕はアレせなあかんのか、コレせなあかんのか、と思いますし。ちょっと、現状では空想レベルの話ですね。もし、そんなことが起きたら具体的に考えるでしょうけど。