こういう使い方をした軽が、どれだけ持つか…
――簡単に答えは出ない。
井上 どの考えをどうチョイスするかという岐路に、そろそろ立ちそうだなと。いまの車は15万キロはいってるので、ヘタり出すのもボチボチかなって。エンジンはしっかり回っていても、他の部分をいろいろメンテナンスしていかなきゃいけないので。ほんとうに「もう一回軽バンか、ハイエースにするか」みたいな。整備士さんに会うたびに、ずっとその話をしてます。
整備士さんも面白がってくれていて。「軽ワゴンで、こんな使い方する人間はおらん」と。だから、エンジンをフル回転させて、3年間で15万キロ走って、毎日何百キロ走って、それができてしまう日本の技ってすげぇな、みたいなね。だから、「これはサンプルとしておもろい。こういう使い方をした軽が、どれだけ持つかは俺もわからん」と彼も言うんですよ。
――もともと、車やメカがお好きなんですよね。
井上 僕、工業高校やったんですよ。エンジン分解、組み立てとかも、一応は習ってたんです。高校時代はバイクに夢中だったし、四輪だとダートトライアルという競技もやってたり、乗り物はずっと大好きだったので。
全国の水族館や動物園を回りたい
――岐阜の郡上おどりに行くのが楽しみだとおっしゃっていますが、それ以外に行きたいところは?
井上 全国の水族館や動物園は回りたいですね。コロナの2年間は、観光寄りの話がまったく描けなかったので。いま、ちょっとやり始めてますけど。こないだ、ナウマンゾウの博物館とか描きました。ああいった、地方の面白い博物館であるとか、動物園であるとか、観光地めぐりみたいなことはインバウンドが戻ってくる前に回ってしまおうと。
これ言うとアレかもしれないけど、いまが一番日本らしい日本というか。外国の方が来てくれて、日本を楽しんでくれるのは嬉しいんですけどね。先日も奈良に行ってきましたけど、日本人しかいなくて、僕らの世代が修学旅行で行った頃の奈良みたいでいいんですよ。
――こうしてお話をお伺いして思ったのですが、本当に「人嫌い」なんですか? ベラッベラ喋られるので、そうは思えなくて。
井上 そんな重度の人嫌いではないですよ(笑)。今日は反動かもしれないです。普段は喋らないからこそ、漫画を描いている。喋りで消化しちゃうと、漫画を描かなくなっちゃうんじゃないですかね。
写真=三宅史郎/文藝春秋
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