場所はアメリカ、ニューヨーク。マンハッタンを走るニューヨーク・セントラル鉄道の廃線跡の高架が、そのまま公園になっている。1930年代に建設され、1980年に役割を終えた大都会の真ん中の高架線。高架だから名前はそのまま「ハイライン」という。
しばらくはそのまま放置されて廃墟のごとくなっていたが、2000年代に入って緑地公園へとリニューアル。毎年数百万人が訪れるようになり、いまやすっかりニューヨーク市民の憩いの場になった。
と、そんな海の向こうのいかにもニューヨークらしいお話だが、翻って日本にもまったく同じような“ハイライン”がある。その場所は京都・梅小路。京都鉄道博物館や京都水族館などがある、京都駅西側の一帯、「梅小路ハイライン」だ。
京都なのに“ニューヨークみたいな…”「梅小路ハイライン」はどこにある?
京都のハイラインへは、京都駅から歩いてもいいが少し遠い。JR嵯峨野線に乗ってひと駅、梅小路京都西駅で降りるのがいちばん便利だ。2019年3月に開業したばかりの新しい駅である。
高架の梅小路京都西駅の改札を抜けると、目の前には京都鉄道博物館。さらに周囲を取り囲むようにしていくつもホテルが建っている。高架の線路をくぐればその先には線路に沿って広大な梅小路公園も広がっている。
……というのは、ごく真っ当な梅小路京都西駅の紹介なのだが、改札を出てすぐに駅前の道路を渡る歩道橋がある。梅小路ハイラインは、この歩道橋を登った先だ。
“ハイライン”の名にふさわしく、高架の上にはレールが残っていて、その上にスケルトンのパネルが置かれていたり、コンクリートで埋め立てられて歩けるようになっている。
ところどころには屋台やイス、テーブル。ニューヨークのハイラインのように緑地ではないが、定期的に飲食店が出店してイベントを行っているという。今年の夏も、8月5日から9月25日まで、週末を中心に「梅小路ハイライン 夏祭り」を実施する予定だ。